Choji Nozaki

Use of Metallic Card Clothing for Cotton Processing

研究目的メタリックカードを綿紡に応用した場合, フラットーシリンダ, ドッファーシリンダのゲージがカード作用にどのように影響をするかを求め, またそれらがMCCの歯角度やラップ供給速度によってどのように変るかを知って, 最も適したゲージを知るとともに, MCC歯角度選定の一助とする.研究結果1) フラットゲージの増加 (5.3～12.5×10-3in) に伴い, ドッファのかきとりがよくなり, シリンダ上の纎維量ならびにヨロイ綿が少なくなる.しかしシリンダ上におけるネップの生成は増加し, ナップやカスのヨロイ綿による吸着が低下して, スライバの異物は多くなる, ヨロイ綿の纎維長はやや長くなるが, スライバの纎維長に影響するほどではない.2) ドッファゲージの増加 (4～9.5×10-3in) に伴い, ドッファのかきとりが悪くなり, シリンダ上の纎維量ならびにヨロイ綿が多くなる.シリンダ上におけるネップの生成はドッファ歯角度の大きいとき, 上記ゲージとともに増加し, スライバのネップも増加するが, ドッファ歯角度が小さいと必ずしもそうではない.ナップ, カスのヨロイ綿による吸着やスライバの纎維長にははっきりした変化が認められない.3) ラップ供給速度の影響は前報と同様であり, 前2項で述べたゲージ変化の影響とは関連がない.4) シリンダの歯角度を大きく, ドッファの歯角度を小さくするとドッファのかきとり比が著しく向上し, シリンダ上の纎維量が低下するが, ヨロイ綿の量はそれほど低下しない.しかしヨロイ綿の異物の吸着量は増大し, スライバのナップ, カスの減少を助ける.5) 以上のいくつかの結果から上記ゲージはともに狭い方が概して望ましいが, ドッファの歯角度を小さくするとドッファゲージは必ずしも狭いのがよいとはかぎらなくなる.

Application of Metallic Card Clothing to Cotton Processing

研究目的同じロットに属する20, 30, 40s用綿ラップを, できるかぎり同じ条件でメタリックカードと普通針布カードとに通し, いくつかの比較測定を行った.とくにスライバ, ヨロイ綿, 並掃除綿の異物については種類, 大きさ別に分類して, 詳しい解析を行った.研究結果次のような実験結果から, 少なくとも20sについては, メタリックカードが綿用としても, 十分実用性のあることを確めた.1) 普通針布カードのスライバの異物は, 並掃除後の時間とともに, 各種とも増加し, その繊維長は減少する.メタリックカードにはこのような時間による影響が認められない.2) 両型カードの異物は.同じロットのラップに対し, その総数において大差がないが, 普通針布ではカード機内でのネップの生成が多く, メタリックではナップやカスの破砕されることが多い.3) メタリックカードのヨロイ綿は1gあたりで, より多くの異物, 特に大形のナップを吸着するので, 並掃除綿がなく, ヨロイ綿の量も少ないのにかかわらず, スライバの異物の量は, 普通針布カードと大差がない.4) メタリックカードのスライバの繊維長は普通針布カードのそれに比べて, ごくわずか短い傾向がある.また前老のヨロイ綿は後老のそれ, および並掃除綿に比べてかなり短い.5) 糸のリー強力は普通針布に比べて, 20sではやや劣るが, 30, 40sで差がない.6) セリプレン外観検査では, 糸むら, カスネップともに, 20sではメタリックがすぐれ, 40sでは劣る.7) メタリックカードのスライバ收率は普通針布カードに比べ, 1～3%高い.8) フラットの駆動にダブルウオームを用いる効果は, 異物が多少少なくなるほか, あまりR利点がない.