Fumihito Nishimura

Evaluation for hydrogen embrittlement properties of ultra high-strength steel sheets by 4-Point Bending Technique

Hydrogen embrittlement properties of SCM435 and vanadium added steel sheets were investigated by using 4-Point Bending Technique (4PBT) to propose the standardization for the evaluation of hydrogen embrittlement properties. Maximum fracture strengths of steel sheets using 4PBT were decreased with increasing diffusible hydrogen concentration. vanadium added steels indicated high hydrogen embrittlement resistances compared with SCM435 steels. The tendencies between hydrogen concentration and maximum fracture strength obtained by 4PBT in SCM435 and vanadium added steels were similar to those using Conventional Strain Rate Technique (CSRT) although maximum fracture strengths using 4PBT were higher than those using CSRT in both steels.

Evaluation for Hydrogen Embrittlement Properties of Tempered Martensitic Steel Sheets Using Several Testing Technique

近年,自動車の衝突安全性向上と自動車車体軽量化によ る燃費向上のため,自動車用薄鋼板の超高強度化の要求が 高まっており,多くの自動車用衝突安全部材に980 MPa超 級の超高強度鋼板が適用され始めている。そのため,自動 車用超高強度鋼板も水素脆化(遅れ破壊)の発生が懸念さ れるようになり,耐水素脆化特性に優れた超高強度薄鋼板 の開発 ,および水素脆性発生のメカニズムに関する研 究 が積極的に行われるようになった。日本の水素脆化 に関する研究は,1960年代,橋梁に用いられていた,引張 強さが1300 MPa級のF13T高力ボルトが突然破壊したこと によって始まった 。そのため,これまでの水素脆化に関 する研究のほとんどは丸棒を用いた研究 であった。こ こで,一般的に静的荷重を負荷したあと,時間遅れをとも なって水素起因による破壊を発生する現象を遅れ破壊,材 料中に侵入した水素によってじん性が著しく低下する現象 を水素脆化と呼ぶが,遅れ破壊は水素脆化の一種であるた め,本研究では両者とも水素脆化と呼ぶこととする。 現在までに水素脆化特性を評価する方法として,鋼材が 破壊しない限界拡散性水素量(HC)と鋼材の使用中に環境 から侵入する拡散性水素量(侵入拡散性水素量(HE))の関 係から水素脆化が生ずるか否かを判定する方法 が提案 されている。このなかで,丸棒のHCを評価する実験手法と しては,一定荷重法(CLT:Constant Load Test),低ひず み速度引張試験法(SSRT:Slow Strain Rate Technique), および通常のひずみ速度引張試験法(CSRT:Conventional Strain Rate Technique)などが用いられている。超高 強度薄鋼板においては上記の試験法に加えて4点曲げ 法(4-Point Bending Technique)やU曲げボルト締め法 (U-Bending Technique)による水素脆化特性の評価も可 能である。 上記のように,これまでの水素脆化に関する研究は各 研究機関でそれぞれの試験法,評価法で議論されてきた。 2010年に発足した一般社団法人日本鉄鋼協会材料の組織 と特性部会「水素脆化研究の基盤構築」研究会では,それ ぞれの研究機関が共通基盤技術を構築し,各研究機関で評 価された水素脆化特性を共通的に議論できるようにするこ 種々の試験法による焼戻しマルテンサイト鋼板の 水素脆化特性評価