Hiroyuki Naka

Analysis precision for flow simulation of thermoplastic resin in injection molding.

射出成形解析の中で, 熱可塑性樹脂の流動解析を高精度化することを目的とし, 従来の手法に比較して, エネルギー式の取扱いを厳密化したアルゴリズムを提案した. すなわち, 金型内の樹脂流れに伴う熱移動を正確に評価するため, 移流項, 金型壁への伝熱項, せん断発熱項に加え, 従来無視されてきた圧力仕事を考慮した基礎式を適用した. また, 解の妥当性を評価するため, Wangらの実験値と比較し, 充てんパタンと圧力変化に関して良い一致を見た. モデルケースの解析を例に, 金型内の充てん過程における, 流れ, 温度, 圧力分布について, 比較検討し考察を加えた. その結果, 圧力分布に関しては, 充てんの進展に応じて, 常に, ゲート部を最大, メルトフロント部を最小とする一定勾配の分布を示すが, 温度に関してはゲート部の発熱効果と, 流れの停止域での急激な冷却作用のため, 圧力分布とは相関のない分布を呈することが判明した.

Evaluation precision of thermoplastic resin viscosity in injection molding analysis.

射出成形解析における熱可塑性樹脂の非ニュートン流勤特性を規定する粘度評価手法について, 従来から用いられてきた, キャピラリーレオメーターの考え方に対し, 新たに薄板平板流をモデル化した粘度評価手法と評価式を提案した. 代表例としてポリスチロール樹脂を選び, 二つの評価手法に従って実験的に粘度定数を求め, 双方を比較した. さらに2組の定数を流動解析に適用し, 精度として最も敏感な流動圧力に関して, 解析結果を実験値と比較した. その結果, 485～528Kの樹脂温度範囲内で, 従来法では±数10%の圧力解析娯差を生ずるのに対し, 本提案の手法では-3%～7%以内の解析誤差に収まることが確認された. また, 同様の効果は, ABS樹脂についても成立した.

A study of a tape floating cylinder for the video tape recorder.

A tape floating type video cylinder named MAF (Micro Air Float) is proposed. This cylinder has spiral grooves with a pump-out effect at the bottom of the upper cylinder. The characteristics of the pump-out pressure of an MAF cylinder are theoretically formulated, and the results agree with the experimental data. Tape floating on the cylinder is measured dynamically with the optical sensor and compared with the normal (groove-less) type cylinder, and it becomes clear that the pressure from the spiral grooves is effective for tape floating, especially at the lower cylinder. The mechanism of tape floating on the cylinder with spiral grooves is discussed, and it is found that the radius difference between the upper and the lower cylinder effects the tape floating.