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Publication
Featured researches published by Kazuhiro Kusahara.
学習システム研究 | 2016
Yu Osaka; Kazuhiro Kusahara
本研究は,専門科学者がおこなう「真正な実践」の解明に向けたシリーズ研究のうち,知識の社会領域の中でも地理学者の研究に注目し,「地理学者ならではの学びの過程とはどのようなものか」「その過程は,地理教師が教材研究として地理学論文を読み解く上でどのように活かすことができるか」を解明することを目的とする。そのために,時代の異なる2つのインド地域研究の成果報告書を対象に,(1)研究の目的と方法,(2)地域の選定,(3)記述のスタイルと構成を比較することで,地理学者の学びがどのように変化・成長しているのかの解明を試みた。分析の結果,以下のことが明らかになった。2つの時代の研究は,(1)地誌学研究のパラダイムの変化や時代の要請などをふまえて,研究の問題意識が,「農村地域の社会経済構造の把握」から「地域格差とそれを解消する条件の解明」へと変化・深化していること,(2)いずれも同じインド農村地域をフィールドに取り上げる点では共通するものの,継続的な調査活動による研究者同士・現地住民との人脈ネットワークの開拓によって,より主体的・目的合理的に調査地域を選定できるようになっていること,(3)対象地域で収集したデータの,集落の立地と形態,人口と社会,村の経済を窓とする画一的な記述から,地域を特徴づけるテーマに焦点化した構造的な説明へと変化していること。これらの3点が明らかとなった。またそこから,時代を越えて研究を継続的に修正・深化させる地理学者集団の学びの特質が示唆された。最後にこれらの成果をふまえて,同一地域の研究成果の時系列比較が,教科書記述の意図とコンテキストの理解には有益であることを指摘した。
学習システム研究 | 2015
Takumi Watanabe; Tomihiro Nakayama; Kazuhiro Kusahara
本研究は,専門科学者がおこなう「真正な実践」の解明に向けたシリーズ研究のうち,知識の社会領域の中でも歴史学者の研究に注目し,「歴史学者ならではの学習過程とはどのようなものか」「その学習過程は,歴史教師が教材研究をおこなう上でどのように活かすことが可能か」を解明することが目的である。そのために,歴史学論文の構成・構造分析と論文著者へのインタビューをもとに,歴史学者の研究過程とその背景を分析する。これを,歴史学者ならではの学びの過程として読み替えていく。本稿では,近世史の視点から近代史の研究課題に挑んだ2008年の論文「地租改正における地価決定と収穫高-広島県恵蘇郡奥門田村を事例として-」とその著者である歴史学者の中山富広を研究対象とした。結果,論文執筆に際しての研究過程は,「研究デザインの構築」「研究デザインに基づく実証研究」「研究デザインの省察と意義付け」という段階を経ていることが明らかになった。そして,論文執筆の背景にある学びとしては「研究経験」「専門領域や周辺領域に関する学界動向の学び」「他者との交流」「教育経験」という側面が確認できた。ここから学びとった概念や方法を,自分なりに再構成し,他の研究者共同体や自分の研究者共同体に適用するというアプローチが繰り返しおこなわれていた。以上を踏まえて,歴史学者の学習過程を理解する上で求められる視点として,「活用されている史料と解釈の対応関係を把握すること」「解釈を論文として説明する際に活用されている語彙の意味を理解すること」「論文の生成される文脈,研究史を学習すること」の3点を提案した。歴史学者の真正な学びとは,史料,史料を説明するための語彙,語彙を生み出す背景にある研究史に関わったものである。これらを読み解くことで,歴史教師は歴史学者の論文を深く理解し,教材研究に活かすことができる。
学習システム研究 | 2015
Yu Osaka; Hidenori Okahashi; Kazuhiro Kusahara
本研究は,専門科学者がおこなう「真正な実践」の解明に向けたシリーズ研究のうち,知識の社会領域の中でも地理学者の研究に注目し,「地理学者ならではの学びの過程とはどのようなものか」「その過程は,地理教師が教材研究のために地理学論文を読み解く上でどのように活かすことができるか」を解明することを目的とする。そのために,地理学論文の構成・構造分析と論文著者へのインタビューをもとに,地理学論文が執筆されるに至る経緯とその背景を分析する。本稿では,現代インドの地域研究の成果を発信した地理学論文「経済成長下のインドにおけるヒマラヤ山岳農村の変貌―ウッタラカンド州の事例―」(岡橋ほか,2011)と,その筆頭著者である地理学者・岡橋秀典を研究対象とした。結果,論文が完成するまでの過程は「研究デザインの構築」「実地調査の準備と実行」「省察と意義付け」「地域像のフレームワークの精緻化」「執筆」という5段階から構成されること。論文執筆の過程にあるミクロな地理学者らしい学びとして,「フィールドと協力者に学ぶ」「データに学ぶ」姿勢があること。論文執筆の背後にあるマクロな地理学者らしい学びとして「他の研究者に学ぶ」「自らの経験に学ぶ」姿勢があること,が明らかとなった。最後にこれらの成果をふまえて,地理教師が教材研究のために地理学論文を読み解く上で重要な視点や方法として,「論文題目や章・節のタイトルに注目する」「解釈が生まれてくる根拠(エビデンス)とその集め方に注目する」「参考文献や註釈・特記事項に注目する」「論文の背後にあるコンテクストに注目する」の4点を提案した。
学習システム研究 | 2015
Takumi Watanabe; Yu Osaka; Kazuhiro Kusahara
本研究は,①大学院生は,GTAとしてどのようなつまずきに直面するのか,②つまずきの克服は,どのような仕組みで支援することが可能か,③とくに教科教育学を専門とする大学院生にとって,GTAの経験はどのような意味を持つのか,を解明することを目的とする。この問いを解くために,クリス・パーク (Chris Park) が執筆した “The Graduate Teaching Assistant (GTA):Lessons from North American Experience.” 「大学院生ティーチング・アシスタント (GTA)-北米の経験からの教訓-」を検討する。本論文は,2014年9月,シェリー・フィールドがRIDLS主催の講演会に登壇した際,北米のGTA研究の動向を概観できる有益な資料として紹介したもので,事実,多くの先行研究者が引用,参照する包括的なレビューとなっている。そこで本稿では,パーク論文を解題することで,上の問いにアプローチすることとした。パーク論文の分析から明らかになったのは,以下の3点である。①大学院生は,GTAとして,「他者との関係構築」「研究と教育の時間配分」「知識や経験の不足」「自分とは異なる多様な考えに開かれた姿勢を示すこと」でつまずく傾向にある。②GTAが直面する困難を克服するプログラムは,GTA制度に他ならない。そのためのGTAプログラムは,研究者・教育者のコミュニティへの正統的周辺参加の機会を提供するものでなくてはならない。また首尾一貫した「選定と養成」「トレーニング」「指導・助言とメンタリング」の仕組みづくりが要求される。③GTAの経験は,教育者(教員養成者)としての資質・能力に限らず,研究者ならびに教育者(教員研修者)としての資質・能力を高める契機ともなる。教育者と研究者それぞれの方法論が深く分かちがたく結びついている教科教育学を専門とする大学院生にとって,GTAとしての学びには一定の効果が期待できる。
Hiroshima journal of school education | 2018
Kazuhiro Kusahara; Jongsung Kim; Kosuke Kawahara; Yusuke Tatara; Taisuke Kodama; Fumiya Shigematsu; Ryo Yamamoto; Tomonori Yoshikawa
Hiroshima journal of school education | 2017
Kazuhiro Kusahara; Yu Osaka; Jongsung Kim; Kanou Inagaki; Kouichi Okada; Kousuke Kawahara; Hiroki Saito; Yuka Sako; Kazuya Takeuchi; Yukihiro Tuji; Fujihiko Moriya; Kaoru Yamada; Yasushi Yamaguchi
Bulletin of the Graduate School of Education, Hiroshima University. Part. II, Arts and science education | 2017
Kazuhiro Kusahara; Taisuke Kodama; Ryo Yamamoto; Tomonori Yoshikawa; Fumiya Shigematsu; Kosuke Kawahara
Archive | 2016
Kazuhiro Kusahara; Ryosuke Okada; Takumi Watanabe; Yu Osaka; Hiroaki Sakaue; Shinya Iwashita; Chie Uejima; Seiji Ogawa; Shoki Kisaka; Siyao Wei; Takuya Sasaki; Takashi Terashima; Kenji Yamada; Takuya Yuzuriha
Hiroshima journal of school education | 2016
Kazuhiro Kusahara; Ryosuke Okada; Takumi Watanabe; Yu Osaka; Hiroaki Sakaue; Shinya Iwashita; Chie Uejima; Seiji Ogawa; Shoki Kisaka; Siyao Wei; Takuya Sasaki; Shigeki Tsujimoto; Takashi Terashima; Kenji Yamada; Takuya Yuzuriha
Theory and Research for Developing Learning Systems | 2015
Yu Osaka; Takumi Watanabe; Jongsung Kim; Kazuhiro Kusahara