Kazunori Tashiro

Clear and colorless fluid observed during percutaneous transhepatic gallbladder drainage

SummaryTwelve patients with discharge of clear colorless fluid during percutaneous transhepatic gallbladder drainage (PTGBD) were encountered during a period of 4.5 years. On the average, the fluid appeared on the 12th day after PTGBD and continued to flow until the completion of observation. The volume was usually less than 60ml per day. It flowed in an alternating pattern with normal yellow color bile each day. The fluid was observed in patients in whom satisfactory patency of the biliary system was confirmed by cholangiography and/or cholangio-fiberscopy. Biochemical examinations of the fluid revealed lower biliary lipids but a similar electrolyte composition compared to bile of normal color. It was alkaline. These observations indicate that the clear colorless fluid is different from what is known as “white bile”, which is produced when there is an obstruction of the biliary tree. The fluid may be secreted from the gallbladder epithelium or the bile duct epithelium. The significance was not clarified in this study. Further investigation is necessary to elucidate the clinical implications of the clear and colorless fluid secretion.

An analysis of complications after total pelvic exenteration.

過去11年8か月間に当科で経験した骨盤内臓全摘術12例の術後合併症について検討した. 性別は男性10例, 女性2例で, 原疾患はS状結腸・直腸癌9例, その他の悪性疾患3例であった. 1期手術7例, 2期手術5例で, 5年生存率は72%であった. 術後合併症では骨盤内膿瘍6例, 尿路感染症7例, イレウス5例などが主なものであった. 術後骨盤内膿瘍形成は, 術前からイレウス状態にあったもの, 術中出血量2,000ml以上の症例で多かった. またその予防のためには, 人工肛門などによるイレウス状態の改善と, 腫瘍摘出後の骨盤内死腔の十分なドレナージが必要であると思われた. 尿路感染症については尿管皮膚瘻で多発しており, 回腸導管が望ましいと考えられた.

Two cases of ruptured pseudo-aneurysm of the hepatic artery.

症 例1:60歳,女 性. 主訴:食 欲 不振,体 重減 少, 既 往歴:特 記事 項 な し, 家族歴:特 記事 項 な し. 現病歴:昭 和59年5月 ごろよ り,上 記 症状 が 出現 し 近 医 を受診.胃 癌(Borrmann 4)の 診 断で10月8日, 当科 へ紹 介入院 し,術 前 検査後,10月25日,開 腹 術 を 施行 した. 手 術 所 見:胃 全 摘 術+リ ン パ 節 郭 清+脾 摘 出術 (double tract reconstruction)を 施行 した.P0H0N1 S1でStage IIで あ り,R2 resectionを 施行 し絶 対的 治 癒切 除で あ った.肉 眼的 分 類お よび進 行度 は 胃癌 取 扱 い規 約 に従 った5). 術 後経 過:術 後9日 目に,発 熱お よび ドレー ンか ら の粘 稠 な浸 出液 の排 出が認 め られ,縫 合不 全 と診 断 し 図1 腹腔動脈造影で固有肝動脈の分岐部 に造影剤 の poolingが 見 られる.

A case report of cholangiocarcinoma after right hepatic trisegmentectomy.

1.は じめに り ,肝 内胆管へ浸潤が認められたが(Bl,VPl),肝 切 正常肝においては,切 除後の良好な肝再生が期待で 離 面に癌の浸潤はなくTW(一 )で治癒切除であった。 きることより,肝 硬変非併存の肝癌や肝門部胆管癌に 腫 瘍の組織像は良く分化した管状腺癌で,周 囲肝組 対してはその根治性を求めて肝の大量切除が数多く行 織 へ連続的に浸潤しつつあり,非 癌部には肝硬変はな われてきている。 今回,肝 内胆管細胞癌に対して肝右三区域切除術を 施行し,術 後 6か 月間肝の再生状態を画像診断的,病 理組織学的および免疫生化学的立場より観察した 1例 を経験 したので報告する。 2.対 象症例 症例は58歳の女性で,生 来健康,肝 炎の既往なく閉 塞性黄疸にて発症した。 術前画像診断 :術前の腹部断層 X線 検査 (CT)で は,直 径6cmの 腫瘍が肝門部から肝右葉へかけ存在 し,腫 瘍の背側は肝部下大静脈から右肝静脈にまたそ の左側は尾状葉に接 し,肝 左葉は代償性肥大を軽度示 していた (写真 1上 ).