Kazuya Watanabe

RECOVERY PROCESS OF SAND SPIT AT THE NATORI RIVER MOUTH

The Natori River, originates in Miyagi Prefecture, is one of the large and important river in Tohoku District in Japan. In 2 002, a significant flood caused by typhoon 0206 with more than 230mm precipitation during two days induced remarkable flushing of the left sand spit at the Natori River mouth. The residential area near the river mouth has been damaged severely four times by flood within these 15 years. In order to protect the river mouth area, embankment has been constructed. After the completion of the construction, however, it is found that the sand spit recovery process has changed from that observed before the construction. In this study, the sand spit recovery process at the Natori River mouth is clarified thorough field measurements and photographs. It can be observed that the time scale of sand spit recovery process is dependent on the river scale. Moreover, it is seen that the sand spit tends to intrude seaward during beginning period after flood and tends to retreat riverward during the later period, as already observed by Uda and Matsuda (1995).

INVESTIGATION OF TSUNAMI EVACUATION USING FLOATING TYPE TSUNAMI EVACUATION SHELTER

東日本大震災の発生を受けて,様々な地域において見 直しが行われ,従来想定よりもかなり巨大な津波が来襲 することが予測されている.特に南海地震の予測では特 に以前よりも高い津波の来襲が予測されている.今回, 前回の想定から改定された津波予測の一例を挙げれば, 高知県の黒潮町では従来想定でも15mと高かったものが, 34mと2倍以上のかなり巨大な津波が来襲することに予 測が変更されている. このような状況下で一人でも多くの人命を救うために, 海水浴場などの低地では津波避難タワーを設置すること がある.また,鉄筋造などの強固な建物への鉛直避難な ども考えられる.津波避難タワーや海岸に近い高いビル は津波に対するいわば最後の砦であるが,これらを越す 津波が来襲した場合には,現在はそれ以降についての方 策がなく,避難所である津波避難タワーやビルに到達で きたとしても,被害を受ける可能性がある.そこで,本 研究では従来の高所避難のみではなく,浮体式津波避難 シェルターと併用したハイブリッドな避難手法に注目し た.そのため,津波避難タワーやビルを超える津波来襲 時における浮体式津波避難シェルターの挙動について検 討を行うこととした. 浮体式津波避難シェルターは上部を避難空間,下部を 備蓄機能の空間とし,平常時は防災教育の教材等として, 津波襲来時には高所への避難が困難な人に利用すること で,津波による人的被害の低減に寄与することを目的と して設置されている. 現在の実際に販売されているものを見ると4人乗り,6 人乗りの球体のものが主流であり,この他にも箱型のシ ェルターも開発されている(例えば). また,既往の研究では,平地に設置した場合の球体シ ェルターの運動特性等の研究がなされている. その結果,津波避難シェルターは津波避難に対して有効 であることが示されている.しかし,今回はビルなどの 津波避難場所に逃げた住民に対して想定以上の津波が来 襲した場合にさらなる対策が無いかを検討した.そのた め,津波避難シェルターの平地に対する挙動だけでなく, 建物から津波の流れに乗ってどのような運動をするのか を検討する必要がある. 本研究では,水理実験を行うことにより,津波の高さ やシェルターの設置位置を様々に変化させ,津波避難シ ェルターの挙動について検討を行った.ただし,実験水 路の関係上まずは,低平地の鉄筋造のビルなどの低い建 物を今回は対象とした.さらに,どのような設置位置が 最適であるのかについての検討も併せて行った. 土木学会論文集B3(海洋開発), Vol. 70, No. 2, I_313-I_318, 2014.