Masami Takayasu

Alkylation of Benzene with Propylene Using Zeolite-Hydrogen Chloride Catalysts

ゼオライト触媒のアルキル化活性をベンゼンとプロピレンの反応によって流通系で検討した。NaYゼオライトは200℃ から400 ℃ の温度範囲ではまったく活性を示さなかったが, 反応気流中に3.6mmHgの塩化水素 を添加すると著しい活性の発現が見られた。CaYゼオライトは塩化水素無添加でもアルキル化活性を示し,塩化水素を添加するとさらに活性は上昇した。CeYゼオライトはNaY+HCl,CaYより活性が高く塩化水素を添加しないときでも200℃でクメン生成率45%であり,3.6mmHgの塩化水素を添加するとクメン生成率63%に上昇した。NaYゼオライトに対する塩化水素の吸着実験を行なった。吸着された塩化水素には可逆的な弱い吸着と不可逆的な強い吸着の少なくとも2種類があり,触媒活性は弱く吸着された塩化水素量に比例した。またゼオライトに対する塩化水素添加の効果が可逆的であることから,活性発現に関与する塩化水素はゼオライトの骨格部でなくイオン部と作用すると推論した。