Michiaki Ito

Comparison of No-tillage Farming among the Three Different Soils III. Adoption to the Volcanic Soil (Soil Texture SiC).

わが国の畑作における不耕起栽培は,最 近までほ とんど体系的には研究されておらず,耕 地環境や歴 史的背景の異なる欧米での不耕起栽培技術の持つ意 義や問題点と,わ が国のそれとは異なると考えられ る2),3).さらには,国 内においても気候,土 壌の相違 から不耕起栽培のもたらす効果や問題点は地域によ って異なることが予測される.一 方,近 年とくに指 摘される栽培環境の見直しや保全の重要性,生 産コ ストの低減などからも不耕起栽培のもつ特徴が注目 されている.こ うした状況にありながら,わ が国で の大型機械の利用を前提とした畑作の不耕起栽培に 関する資料の蓄積は少ない.本 研究は,畑 作の不耕 起栽培に関する基礎資料を得る目的で,土 性の異な る3地 域で同時並行的に同一の基本設計のもとに比 較実験 を行 った もの で ある. 本 報 では,前 報1),7)までの火 山灰 土壌(東 京,土 性 L),砂 質 土壌(島 根,土 性LS)に 続 いて,新 潟 での 火山灰 土壌(土 性SiC)に お け る3年6作 の実 験結 果 につ いて報告 す る.