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Publication
Featured researches published by Moriyuki Watanabe.
Journal of the Faculty of Fisheries and Animal Husbandry,Hiroshima University | 1967
Moriyuki Watanabe; Shuichi Kato
鶏精液の凍結保存に関する基礎的研究として凍結用各種希釈液の調整を行ない,融解後の精子活力に及ぼすグリセリン濃度,グリセリン平衡温度および平衡時間,各種凍結法および融解法の影響について検討し,更に引きつづき授精試験を行なった結果は次のごとくである. 1. 凍結用希釈液としてはA 液が精子の活力の維持および生存精子割合に最も効果的であった. 2. 鶏精液の凍結保存においては希釈倍率は低い方が良好であった. 3. 鶏精液の凍結方法については37℃で精液を希釈し, 5℃まで毎分1℃ずつ下げ, 5℃でグリセリンの添加平衡を行ない,更にグリセリン平衡後0℃ まで毎分1℃ずつ下げ, 0℃ からー79℃に急速凍結した第4の方法が,また融解においてはー79℃から5℃に5分間静置して融解しその後 20℃に保持するのの方法が精子の活力維持および生存精子割合に最も効果的であった. 4. 上記の凍結ならびに融解法でグリセリン濃度7%, グリセリン平衡温度5℃で60分間平衡したものが凍結融解後の精子の活力の維持および生存精子割合に最も効果的であった. 5. 鶏精子の融解後の活力と凍結期間との聞には何等著明な差異は認められなかった. 6. 鶏精液の凍結保存期間と受精率との聞には著明な差異は認められなかった.
Journal of the Faculty of Fisheries and Animal Husbandry,Hiroshima University | 1959
Moriyuki Watanabe
Since 1955, a routine work on the artificial insemination in birds has been going on in this laboratory under the direction of Prof. emer. Dr. J. YAMANE, former Dean of the Faculty of Fisheries and Animal Husbandry, Hiroshima University. At first, the possibility of artificial insemination in the Common duck was tested with the semen collected by massage, the insemination being performed by palpating the orifice of oviduct (WATANABE & SUGIMORI, 1957). It was confirmed that there was no difference in the fertility rate of the Common duck between the artificial insemination and the natural mating. Nevertheless, it was found that the success of massage method depended exclusively upon psychology of the drake. It was an elaborate work to train a drake for 1015 days until it showed a response to the massage. Also, the time required for inducing ejaculation and the volume of semen obtained varied exceedingly according to the individual bird. At the injection of semen, the palpation of the orifice of oviduct required a considerable skillfulness on the part of the operator. To eliminate these disadvantages, the author has developed a new technique of artificial insemination to the Common duck. It revealed that the absolute and relative fecundities were 80% and 85% respectively, which did not differ from those of Common duck naturally mated in the same season (WATANABE, 1957). Based upon two series of experiments above mentioned, the author qas proceeded to solve the problem of the alleged partial infertility of intergeneric hybrid eggs between the Muscovy drake and the Common ducks by employing his new technique. The present paper is aimed to report the results of his experiments carried out along this line. The author wishes to express his sincere thanks to Prof. emer. Dr. J. YAMANE for giving this theme as well as for constant guidance and encouragement in the course of
Journal of the Faculty of Fisheries and Animal Husbandry,Hiroshima University | 1973
Moriyuki Watanabe; Yoshiteru Miyashima
鶏精子の長期凍結保存に引きつづき,マッサージ法によって採取した七面鳥精子をグリセリンの最終濃度7%の5.5%ブドウ糖・卵黄希釈液で4倍に希釈し,急速法によって-196℃の液体窒素中に638日~739日間凍結保存した精子の融解後の活力および同精液使用による受精率を調べた結果は次の如く要約される。 1. 液体窒素中に638日,642日,643日および739日間凍結保存した七面鳥精子の融解後の活力は80~95%,平均87.5%(++以上)で,長期保存により精子活力が著しい影響を受けるとは思われない. 2. 同精液使用による注入後3週間の受精率は3.8%であった.
Journal of the Faculty of Fisheries and Animal Husbandry,Hiroshima University | 1972
Moriyuki Watanabe; Shuichi Kato
鶏精子の凍結乾燥用保護媒質として全乳,卵ク液,ゼラチン,卵ブ液およびグリセリン卵ブ液を用いて実験を行なった結果は次の如くである. 1. グリセリン卵ブ液を保護媒質とした精液では復元後何れの場合も活力のある精子が観察され,或る実験では活力++以上を示すものが20%もあり,運動力のある精子の出現割合は平均37%であった. 2. 卵ブ液を保護媒質とした精液では活力++以上を示すもの10%の1例を除いては運動精子は観察されず,その出現割合は平均10%であった. 3. 全乳,卵ク液およびゼラチンを保護媒質とした精液では復元後全く運動精子が観察されなかった. 4. 現在の処5つの保護媒質の中でグリセリン卵ブ液が最も適した保存液のように思われる.
Journal of Reproduction and Development | 1972
Moriyuki Watanabe; Takenori Harada; Shuichi Kato
七面鳥精液の凍結保存に関する基礎的研究として7%ブドウ糖卵黄希釈液を用いて液体窒素により70日から440日にわたる長期間の凍結保存を行ない,精液の凍結保存期間と融解後の蘇生精子活力および頸曲り異常精子出現割合との関係を検討した。その結果は次のごとく要約される.1) 70,104,122,226(a,b),367,411および440日間凍結保存後の融解精子活力はそれぞれ70,90,50,70,70,90,70および80%( ?? 以上),平均73.8%で特に長期間にわたる凍結保存が融解後の精子活力に影響をおよぼしているとは思われない。2) 上記の凍結保存による融解後の精液中に見られる頸曲り異常精子の出現割合はそれぞれ19.1,21.1,19.0,14.9,15.5,19.9,14.4および14.7%,平均17.1%で長期凍結保存により頸曲り異常精子が特に増加する傾向は認められない。
Journal of the Faculty of Fisheries and Animal Husbandry,Hiroshima University | 1968
Moriyuki Watanabe; Kazumasa Irie; Takashi Sakabe
-79℃で3ヵ月間凍結保存した精液を用いて人工受精し, 得られた白レグ雄鶏の精液の一般性状を調べ,更にこの雄鶏を白レグ雌4羽に交配してその受精率,ふ化率,ふ化雛の性比および生時体重等を調べ,引きつづき雛の発育状態を観察した結果は次の如くである. 1. 凍結精液よりふ化した雄鶴のー射精時当りの平均射精量は0.13±0.06 ml. であった. 2. 精子濃度は1mm3 当り平均4.12±1.22百万でー射精当りの総精子数は0.543±0.310 十億であった. 3. 採取精液のpHは平均7. 18±0.19 であった. 4. 採取精液中の畸形精子の割合は平均11. 0±6.3% であった, 5. -79℃で3ヵ月間凍結保存した精液からふ化した雄鶏を白レグ雌4羽に交配した場合, 交配後2週間の平均受精率およびふ化率はそれぞれ78.8% ,53.9% であった. 6. 上述の交配試験の結果得られた雛14 羽の性比は8♂♂ : 6♀♀で雄鶏がやや多いように思われる. 7. ふ化雛の初生体重は平均43.03±1.82g で従来の白レグ雛の平均初生体重37.5 g 1亡くらべて約16%増重の雛が得られた. 8. 得られた雛はいずれも極めて活潑で,普通の卵からふ化した雛とくらべて何等異なるところがなく順調な発育をつづけている.
Journal of the Faculty of Fisheries and Animal Husbandry,Hiroshima University | 1966
Moriyuki Watanabe
本実験においては非遺伝的畸形嘴と思われる三例に遭遇した.その一つは大阪アヒルにおいて認められ,他の二つはニワトリのembryo において認められた. 大阪アヒルは孵卵開始後25日目に約3時間の停電に遭遇した卵から28 日目に孵化したもので,約1年間育成しその畸形嘴の発育状態および精液の一般性状について観察された.畸形嘴の度合は日数の経過と共に著明となったが,精液の性状については何等異常は認められなかった. ニワトワにおける畸形嘴の一例は孵卵開始後9日目に約4時間の停電に遭遇した卵を瞬卵15 日日に破殻したembryo において認められたものであり,他の一例は破殻3日前から1日6回,約10分間孵卵温度を低下した卵を孵卵10日目に破殻したembryo において認められたものである.前者は一方の無眼球症を伴なった上嘴畸形を示し,後者は一方の小眼球症を伴なった上嘴畸形を示した. これらの眼球および嘴の畸形は共に好ましからざる環境要因によって誘起されるものと思われるが,直接との非遺伝的畸形に包含されている因子ならびにその機構についてはよくわからない.
Journal of the Faculty of Fisheries and Animal Husbandry,Hiroshima University | 1965
Moriyuki Watanabe
鶏では一般に左右の卵管はembryo の発育段階において初めは平行して発達するが10~13 日を境にして右側卵管は発育を中止し左側卵管のみ発育を継続する.その結果ふ化時においては左側がますます伸長するのに対して右側は僅かにその痕跡を留めるに過ぎないのが普通である.従って成鶏においては稀に二つの卵巣と左右一対の卵管を有する例も報告されているが斯様な例は極めて例外的なものである. 著者は1963年6月1日, 2日にふ化したコウライキジ♂×=ニワトリ♀の一腹の属間雑種中の雌2羽において,左右一対の卵管と一つの卵巣を有するもの及び左右一対の卵管と二つの卵巣を有する極めて特異な例に遭遇した.これらの観察結果について要約すれば次の如くである. 一例では不完全ながら濃黄褐色の小形蘆胞様の扁平菲薄なーケの卵巣と先端が盲管となって回旋していない一対の卵管を有していた.その卵管長は左右夫々8. 26cm, 7. 18c m で卵巣重量は0. 15g であった.他の一例では左右2ケの濃黄褐色の卵巣と,左右一対の卵管を有した.この場合前者にくらべ卵巣は極めて機能的でなく,その重量は各々0. 12g であり,卵管は左右共lこ精細いが回旋しておりその先端は何れも関口しており,特K左側卵管ではその上端は明瞭なinfundibulum を形作っていた卵管長は左右夫々15.20cm,9. 12cm であった.
Journal of the Faculty of Fisheries and Animal Husbandry,Hiroshima University | 1964
Moriyuki Watanabe; Koichi Ashida
属間雑種の作出を目的としてコーライキジ雄をニワトリ雌(小しゃも雄を白レグ雌lこ交配して得 たF1) に交配して6羽のF1を得ることに成功した.その雑種卵の受精率,ふ化率及び雛の発育過程 における種々の変化について観察した結果は次の如く要約される. 1. 自然交配により得られた雑種卵6個は全部受精卵で,ふ化日数は22-26日,平均23.8 土1. 6日 で6個が全部ふ化した. 2. 雑種の雛の一般外貌及び行動はニワトリよりもむしろキジに類似した. 3. 6カ月令で雑種の平均生体重は1,672gに達し,その両親鳥の体重の何れをも凌駕し所謂heterosis の現象が認められた. 4. 羽装の色は可成り遣いがあり,白,薄茶,濃茶及び黒が現われた. 5. 瞬及び脚の色も亦可成りの遠いがあり,灰白色,石盤色及び石盤色様の黒となった. 6. 雑種の尾羽長はその両親鳥の中間であった. 7. 雑種はニワトリの特徴である肉髭や耳梁もなければ又キジの特徴である耳房も無い.しかし約 5カ月令に達する頃より全雑種に低いパラ冠が現われて来た. 8. 雑種の性比は雄:雄=4:2でHaldane rule に一致する. 9. 雑種の蹴爪は形,大きさ,及び位置については両親鳥の蹴爪の夫々の中間であった. 10. 雑種の脚の鱗片数は平均14 でその両親鳥の中間であった. 11. 雑種の性機能の特質は観察出来なかった.
Journal of the Faculty of Fisheries and Animal Husbandry,Hiroshima University | 1963
Moriyuki Watanabe; Jinshin Yamane; Satoru Tsukunaga; Toshio Takahashi
広島方式家禽人工授精技術の利用価値を試験するために白レグ♂×ニホンキジ♀の属問雑種作出を試みた.この報告は予報的のものであるが次のように要約される. 1. 広島方式授精法は次の3点から成る. (1) 精液採取に当つては創案した鳥類保定器を利用して雄鶏の腹部マッサージを行った. (2) 原精液は諺透圧を調節した卵ク液で1: 4の割合で稀釈した. (3) 精液は子宮内に注入した. 2. 用いた卵ク液の成分は次の通りである. 6.5%Na3C6Hs07・2Hp液1容量+9.0%ブドウ糖液1容量+鶏卵黄2容量. 3. キジ♀は一回授精を行った翌々日一卵を産したのみで,その後産卵を停止したが, この唯一の卵は受精し,順調に勝化育成することができ,現在完全に生長している. 4. 本実験はただ一回のみの施術であり,一卵を生産したのみであるに拘らず,これが完全に受精し且従来瞬化育成に困難視されていたニワトリ×キジ雑種が成鳥にまで生育したことは,応用した広島方式家禽人工授精術が鳥類の種間叉は属問雑種の作出に有力な手段であることを示すものである. 5. 乙の実験で作出した雑種は,交配した両親が,前研究者のものと因子型を異にしているために.,烏学文献上未知の形態を表わし,その頭部の装飾は寧ろスミレキジに酷似するものとなつて現われた.