Shigetomo Kikuchi
Kyushu University
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Publication
Featured researches published by Shigetomo Kikuchi.
Journal of Architecture and Planning (transactions of Aij) | 2012
Ruiko Temma; Shigetomo Kikuchi
1.1 研究の背景と目的 山間部の棚田は,高度経済成長期以降に人口流出や高齢化などの 社会問題を抱え,長らく耕作危機に面していたが,1990 年頃から徐々 に注目されはじめ,現在では水資源機能や生態系機能など多面的な 価値が見出されている。中でも棚田が作りだす景観は,立地する地 形の造形性によって美しい日本の風景として認識されている。 棚田保全の取り組みには,棚田保全事業や棚田オーナー制度とい った,地域振興や都市との交流事業が全国的に広く展開しているが, 近年では,歴史の中で蓄積されてきた文化的価値が認められるよう になり,文化庁の「重要文化的景観」に選定される事例も多くなっ ている。これは,「地域における人々の生活又は生業及び当該地域の 風土により形成された景観地で我が国民の生活又は生業の理解のた め欠くことのできないもの」と定義され,その保全においては,景 観を形成し維持しているメカニズムを解明し,それを尊重した方針 で行うことが重要であるとされる 。 文化的景観は,ユネスコが 1992 年に正式に導入した概念で,「人 間社会や人間の居住地が,自然環境による物理的制約のなかで,社 会的,経済的,文化的な内外の力に継続的に影響されながら,どの ような進化をたどってきたのかを例証するもの」と定義される 。 つまり,人間が社会を営む中で自然環境に働きかけ,そのバランス の中で築き上げてきた物理的,精神的関係に価値が見出されている といえる。 水田は,水源の維持,灌漑水路の建設,田面を水平にする工事, 水を保つための畦の工夫など,途方もない知力と労力を注いで築造 された農業施設である 。稲作農業は,それぞれの時代に違った様 相をもちながら,一貫して大地に働きかけてこれを人為的に改良し, 特に水の制御を巧妙に推し進めることによって発展してきたもの 3) であり,水田は単なる自然の恵みによって発生したのではなく,長 い農業の歴史の中で造られたものである 。このような観点でみる と,棚田は人間が農業という営みの中で自然環境に手を入れながら 作りあげてきた半自然,半人工の環境であり,まさに「自然と人間 との共同作品 」と表現できるだろう。棚田は人間が自然に対して あるバランスの中で関与し,長い歴史の中で営々と作りあげてきた 農業環境であり,棚田の景観にはこうした働きかけが結実して表れ ていると考えられる。 本研究は,人間と自然とのバランスの中で棚田がどのように築か れ維持されてきたかを,実際の棚田空間の分析を通じて解釈するも のである。自然に対して人々がどういう工夫で対処し,働きかけて きたかを明らかにし,景観にそれらがどう表れているかを検証する。 また,そこでの営農を維持するための仕組みを明らかにし,保全に 対する示唆を得たい。 本編では,棚田が立地する地勢とそれに対応した灌漑システムに 注目する。異なる地勢や水利条件の元で立地する棚田では,それぞ れの条件に対応した灌漑システムの仕組みが個別に形成され,空間 構成に大きく寄与していると考えられる。よって,棚田に固有の灌 漑システムを解明し,それが独特な景観の形成に寄与していること を明らかにする。さらに,こうした棚田の空間構造の違いと棚田の 存続にどういった関係性があるか検証を行う。 Terraced rice field in the mountainous area, called Tanada, is recently evaluated as Cultural Landscape. This study analyzed formation of Tanada landscape by solving mechanism of its irrigation system. Diversified landscapes of Tanada could be seen at several settlements in Niikawa Tagomori. The irrigation filling each patch with water has been formed adapting to its landform. Therefore, two rice fields were examined and founded that completely different systems existed on each site. This demonstrates that peculiar landscape was formed based on its original irrigation system, and the diversity of the systems has leaded different condition of cultivation continuity.
Journal of Architecture and Planning (transactions of Aij) | 2018
Ryohei Hashida; Shigetomo Kikuchi
Journal of Architecture and Planning (transactions of Aij) | 2018
Ruiko Temma; Shigetomo Kikuchi
Aij Journal of Technology and Design | 2018
Yuta Noguchi; Shigetomo Kikuchi; Kaoru Suehiro; Takayuki Hayashi
Journal of Architecture and Planning (transactions of Aij) | 2017
Hyojin Baek; Shigetomo Kikuchi
Journal of Architecture and Planning (transactions of Aij) | 2016
Ryohei Hashida; Shigetomo Kikuchi; Yoshiro Morita; Ken Shibata
Journal of Architecture and Planning (transactions of Aij) | 2014
Akira Ushijima; Shigetomo Kikuchi
J. Archit. Plann. | 2014
Akira Ushijima; Shigetomo Kikuchi
Journal of Architecture and Planning (transactions of Aij) | 2013
Ruiko Temma; Shigetomo Kikuchi
Journal of Architecture and Planning (transactions of Aij) | 2010
Akira Ushijima; Shigetomo Kikuchi