Takashi Akiba

Survival of middle-aged dialysis patients in Japan and the US, 1988–89

Previous comparisons of the survival of end-stage renal disease (ESRD) patients in the US with Europe and Japan indicated worse survival outcomes for the US, with adjustment for differences in age and diabetes [1]. A similar set of survival comparisons between Japan and the US was presented at a recent conference in New York [2] (April 26, 1993) for a newer cohort of incident patients treated with continuous ambulatory peritoneal dialysis (CAPD) and hemodialysis (HD). This report summarizes the results of those across-country comparisons, with added consideration given to the expected survival of dialysis patients compared to the expected survival of the general population in both societies.

Long-term effect of parathyroidectomy on renal osteodystrophy of hemodialysis patients.

透析患者の腎性骨異栄養症 (ROD) に対する副甲状腺摘出術 (PTX) の効果についての報告は, PTX後2年以内の比較的短期間のものが多く, これ以上長期に経過したPTX後の骨所見に関する報告は少ない. 今回我々は, PTXの長期的効果を明らかにするため, PTXおよび前腕への自家移植術を施行後43-56か月 (平均50か月) の患者8名において骨の生化学的指標と骨塩量を測定し, 対照群18名および二次性副甲状腺機能亢進症 (2°HPT) 群14名と比較検討するという横断的検索を行った.オステオカルシン, C-PTH, Intact-PTHは対照群とPTX群の間で有意な差がなかったが, 2°HPT群ではこれらの2群より明らかに高かった. Ca, P, AI-P, カルシトニン, 酒石酸抵抗性Ac-P, アルミニウムは3群で有意差が認められなかった. Dual-energy X-ray absorptiometry法にて測定したLean body massに対する全身骨塩量の比 (%) は, 2°HPT群が対照群より有意に低かった. その他, 全身, 頭部, 腰椎, 体幹, 左・右上肢, 下肢の骨塩量も2°HPT群では対照群と比べて同様ないしは低値を示した. 一方, PTX群と2°HPT群の間では, 骨塩量比・骨塩量の値に一定の傾向はなく, 有意差が認められなかった.以上より, 透析患者の2°HPTを伴ったRODでは, PTX後に骨の生化学的指標は正常化するが, PTX後50か月の時点でみると骨塩量は必ずしも増加していない可能性が示唆された. 今後は縦断的検索も加えた検討が必要と考えられる.

A case of CRF associated with chronic myelogenous leukemia during CAPD treatment, who survived for 5 years.

症例: 45歳, 男. 家族歴・既往歴: 特記すべきことなし. 現病歴: 慢性腎不全のため1982年8月血液透析 (HD) 導入. 1983年6月continuous ambulatory peritoneal dialysis (CAPD) へ移行. この時, 慢性骨髄性白血病 (CML) の合併を発見される. 1983年12月からbusulfanの投与を開始. CMLはほぼ無症状に経過し, CAPDも順調に継続できた. 1988年3月CAPD排液が血性となり入院. 6横指の脾腫がみられ, 末梢血に9.5%, 骨髄では32%の芽球の増加を認め, CMLのblastic crisisと診断された. 入院後6MP, 次いでVCRとPSLの併用による化学療法を行ったが, Candida tropicalisによる腹膜炎を併発し, 同年6月死亡した. 以上, 本例はCMLを合併しながら5年の長期生存を示し, CAPDの適応を考える上で極めて示唆に富む.

Effects of oral 1,25-dihydroxyvitamin D on the response of parathyroid hormone to blood calcium level.

1,25 (OH) 2D3の経口的大量間欠療法 (経口パルス療法) の作用機序を明らかにする目的で, 6名の二次性副甲状腺機能亢進症を合併した血液透析患者に1,25 (OH)2D3 4μgを2回投与し, 前後で透析液カルシウム (Ca) を変化させたときの血中イオン化カルシウム (Ca2+) とPTHの関係を検討した. 血中Ca2+の透析前値は変化を認めなかったのに対し, PTHの透析前値は有意に減少した. PTHとCa2+の関係は同程度のCa2+に対してPTHが低値を示す方向に変化した. 低Ca透析による最大のPTH分泌は抑制されるのに対して, 高Ca透析による最小のPTHには有意な変化を認めなかった.以上より, 短期間の1,25 (OH)2D3の経口パルス療法は血中Ca2+の変化を介さずにPTHを抑制した. また, PTH抑制の機序の少なくとも一部は1,25 (OH)2D3が血中Ca2+に対する副甲状腺の感受性を変化させることによると考えられた.