Takayuki Nanri

Automatic Translation Tool from Ladder Diagram into Petri Net

現 在,生 産 システ ム の 自動化 にお いて,シ ー ケ ンス綱御 が広 く用 い られ て い る。 制御 雷語 は 主 に ラダー 図が使 用 さ れ,制 御 対 象 を含 む シー ケ ンス 制御 システ ムは 非同期 性, 並列性 を有 す る。 ペ トリネ ッ トは システ ム構 造全 体 を静 的 に表現 で き,更 に非 同期 性,並 列性 を有 す る システ ムの 動 的挙動 も表 現 で きる ため,上 記 システ ムの 記述,シ ミュ レ ー ション に適 して いる。 従来 の ラダー 図 の ペ トリネ ッ ト表現(1)で は,ラ ダー 図 が大規 模化 す る に したが い,ペ トリネ ッ トモデ ル にお ける プレー ス,ト ラ ンジ シ ョン,ア ー クの 各要 素 は膨大 な量 と な り,ネ ッ トも非常 に複 雑 な もの とな る。 従 つて,ネ ッ ト 構造 は理解 しづ らく,シ ミュ レー シ ョンを行 う にあた って 膨大 な量 の メモ リが 必 要で あ る。 そ こで,著 者 は,ラ ダー 図の 基本 要 素で あ るa接 点,b 接点 及 びそ れ らの “and”, “or”論 理 回路 の新 しいペ ト リネ ッ トモ デル を提 案 して いる(2)。 また,そ の他 の代 表 的 な ラダ ー構 成 要素 で あ る,変 化検 出接点,コ イル,タ イ マ,特 殊 リ レー の新 ペ トリネ ッ トモ デル も提案 して い る(3)。 ラダー要 素 の新 ペ トリネ ッ トモデ ル は,従 来 の もの と比較 し,ペ トリネ ッ ト各 要 素数 が 少な く,こ れ によ りラ ダー図 をペ トリネ ッ ト化 す れ ばペ トリネ ッ ト各 要素数 が大 幅 に減 じられる 。そ して,実 際の 大規 模 シーケ ンス 制御 シス テム のペ トリネ ッ ト化,シ ミ ュ レー シ ョンに適 したべ トリネ ッ トツール “Hi-NET32S(4)” を 開 発 して い る。 これ は,ネ ッ トの作成 を容 易 に し,ネ ッ トを簡 潔 に し非常 に見 や す く す る新 しい ダ ミー プ レー ス(同 じ名 前の2個 以 上 の プ レー スを いい,こ れ らは 同一 の プ レー ス と して動作 す る)が 導 入され て い る。 また,発 火 遅れ 時 間が1以 上 の トラ ンジ シ ョン以 外 に0の トラ ンジ シ ョンが導 入 され,後 者 の トラ ン ジ シ ョンが 発 火 可能 で あれ ば,優 先 的 に番 号順 発 火す る。 更 に,Hi-NET32Sは,発 火 決定 遅 れ時 間 が導入 され,部 品 化 ネ ッ トを挿入 で き るネ ッ ト挿 入機 能,デ バ ッグに用 い る プ レー ス名検 索 機能 な ど様 々な 機能 を有 す る(4)・ {5)。 Hi-NET32Sで も何 百行 にわ た る大規 模 な ラダー 図 をペ ト リネ ッ ト化 す る のは 容易 な ことで は ない 。通常 ラダー 図 の 構成 要 素 は,そ のほ とん どがa接 点,b接 点 で あ り,そ れ らのandあ る いはorか らな る。従 って,ラ ダ ー図 にお け るa,b接 点 のand, or部 をHi-NET32Sの デー タ形 式で ペ トリネ ッ トに変 換で きるツ ール が あれ ば,ラ ダ ー図 の ペ ト リネ ッ ト化 にお いて非 常 に有 用で あ る。 本文 で は,上 記特 徴 を有す る ラダー 図 か らペ トリネ ッ ト への 自動変 換 ツー ル(HiLad)を 開発 した ので,以 下 これ に閲 して論 じる。簡 単 な ラダー 図の構 成 を図1に 示す 。