Toru Matsushita

Synthesis of Mica Using the Expansion of the Melt Caused by the Crystallization as an Indicator

溶融量200kgの実験において,溶融体自身の温度を測定することなく徐冷を行ない,10cm×5cm程度の合成雲母単結晶が得られたが,非常に再現性が悪かったことはすでに報告した。この実験では再現性をよくする目的で溶融体中にも熱電対を挿入して温度を測定し,その温度を基にして炉の温度を調節した。ところが結晶析出開始とともに溶融体が膨張しはじめ,熱電対を押し上げて真の内部温度を示さなくなった。そこでその後はその上昇を目安にして徐冷を行なった。その結果,再現性よく径3～5cmの大きさの合成雲母単結晶が得られるようになった。

Effect of the Co-existing Ions on the Crystallization Temperature of Synthetic Mica

合成雲母の原料組成を変化した場合,結晶析出温度の高い原料組成からは合成雲母結晶が析出しやすいことはすでに報告した。ここでは合成雲母を構成する成分以外の元素としてFe,Ni,Co,Cr,Mn,Cuの酸化物を添加した場合における合成雲母結晶の析出温度を測定した。その結果,イオン半径の小さい,雲母中に置換されやすい元素の酸化物を添加した場合ほど結晶析出温度が高いことがわかった。