Yoshimasa Nishikawa
Kyoto University
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Publication
Featured researches published by Yoshimasa Nishikawa.
Nihon Chikusan Gakkaiho | 1979
Junko Ikegami; Seishiro Kato; Akira Iritani; Yoshimasa Nishikawa
培養管およびRose chamberによる無酸素条件下における牛精子の運動性について検討を加えた.1. 基質無添加の精子浮遊液を,培養管による無酸素条件下において,37°Cで4時間インキュベートした場合,牛精子の運動性は急激に低下するが,通気によりかなり回復する傾向がみられた.一方,グルコース添加の精子浮遊液を,無酸素条件下において37°Cで4時間インキュベートした場合,精子運動性の低下は緩慢であるが,通気による回復はみられなかった.しかもインキュベーション150分以降,グルコース添加区の精子運動性は,基質無添加区の精子運動性より低下する傾向がみられた.また,無酸素条件下における牛精子の運動性は,対照の好気条件下の運動性に比べ,時間の経過とともに著しく低下した.2. 基質無添加の精子浮遊液をRose chamberに満たし,37°Cでインキュベートした場合,精子の運動性は10分以後急激に低下した.とくに精子濃度が高い場合には著しく低下する傾向を示した.通気後の精子運動性の回復率は72%であった.一方,グルコースを添加した精子浮遊液をRose chamberに満たし,37°Cでインキュベートした場合,精子運動性の低下は緩慢であったが,精子濃度が高くなるにつれて急激に低下する傾向を示した.通気による精子運動性の回復率は7%であった.
Nihon Chikusan Gakkaiho | 1979
Seishiro Kato; Akira Iritani; Shigeo Yoshida; Yoshimasa Nishikawa
37°C,好気条件下でのヤギ洗浄精子によるCO2固定につき検討し,つぎのような結果をえた.ヤギ精子を14CO2またはNaH14CO3とともにインキュベートすると,CO2固定により反応液の酸溶性分画に多量の14Cが蓄積された.14Cの蓄積量はピルビン酸,乳酸およびグルコースのいずれを基質にした場合でもほぼ同じであったが,基質不在下では著しく減少した.精子により固定された14Cの大部分(98%)は酸溶性分画から回収され,わずかながら蛋白分画にも14Cの蓄積が認められた.酸溶性分画にとり込まれた14Cのうち,約79%はアニオン分画から,20%はカチオン分画から回収され,1%前後が中性分画に認められた.さらにアニオン分画における14C化合物の約95%はフマル酸(1.5%),乳酸(21.2%),α-ケトグルタール酸(12.6%),コハク酸(20.9%)およびクエン酸(39.0%)であり,またカチオン分画における14C化合物の約90%はアスパラギン酸(9.8%),グルタミン酸(50.1%),グルタミン(15.8%)およびアラニン(14.2%)であった.ヤギ精子の抽出液からマリックエンザイムが見出されたが,ピルビン酸カルボキシラーゼ活性は認められなかつた.
Nihon Chikusan Gakkaiho | 1979
Hajime Miyamoto; Yoshimasa Nishikawa
2段階凍結法を利用して,いわゆる予備凍結とその温度から超低温に急冷したさいの,牛精子の生存性の推移を調べた.牛精液を卵黄クエン酸ソーダ液で希釈し(グリセリン濃度は7%),1ml宛をストローに分注した(ストロー精液,以下同じ).得られた結果はつぎのとおりである.1. ストロー精液を4°Cから,種々の温度のアルコールバスに浸漬して予備凍結後,さらに-79°Cのバスに浸漬して急冷した.予備凍結時の精子生存性は,予備凍結温度が低くなるにつれて低下し,その影響は-50°C以下の予備凍結バスに浸漬した場合に著しかった.2. 予備凍結の方法が,緩慢凍結法であってもまた急速な凍結法であっても,-10°C以上の温度から-79°Cに急冷すると,融解後の精子生存性は著しく低かった.この場合,牛精子が-79°Cの超低温における生存能力を増し始める予備凍結温度は-15°Cで,その精子生存性は予備凍結温度が低くなるにしたがって著しく改善された.なお,-30~-40°C以下の予備凍結温度から-79°Cへ急冷しても,その後の精子生存性は,予備凍結時の生存性に比べ低下しないことが確認された.3. ストロー精液を,各種の予備凍結温度から-90,-100および-130°Cのイソペンタンバス,または-196°Cの液体窒素へ浸漬して急冷した場合,融解後の精子生存性の推移は,-79°Cへ急冷したものとほぼ同じ傾向が見られた.しかし-15または-20°Cの予備凍結温度から,上記の-90~-196°Cへ急冷すると,融解精子の大部分は死滅し,-79°Cへ急冷した場合よりも,精子生存性に対する影響がいくぶん強かった.またストロー精液を-196°Cへ急冷した場合,とくに-22~-25°Cの予備凍結温度で,牛精子は超低温における生存能力を獲得することがわかった.
Nihon Chikusan Gakkaiho | 1978
Akira Okano; Akira Iritani; Yoshimasa Nishikawa
家兎の精子および精漿を抗原として雌家兎に同種免疫を行なうことにより,力価の比較的高い抗血清が得られた.これらの抗血清が抗原である家兎精子に及ぼす影響,また受精に対する阻害効果の有無を知る目的で,FSHで過排卵処置した雌家兎に,抗血清に浮遊させた精子を授精し,24時間後に,卵管灌流により卵子を回収して,回収卵子に対する受精の割合をしらべ,これを対照の正常雌家兎血清に浮遊させた精子を用いた同様の実験結果と比較した.正常雌家兎血清に浮遊させた精子を授精した雌家兎6匹においては,すべての個体から正常な受精卵が得られた.精子を抗原とした同種免疫血清に浮遊させた精子を授精した雌家兎4匹においては受精卵を得ることができなかった.また,精漿を抗原とした抗血清に浮遊させた精子を授精した雌家兎4匹においては,2匹から正常な受精卵が得られ,他の2匹からは未受精卵のみ回収された.以上の成績から精子に対する抗血清は,雌生殖器分泌液中の補体成分と協力して,精子を不動化し不受精を招いたものと推定された。一方,精漿に対する抗血清は種々の程度で精子凝集を生じさせ,精子が受精部位へ到達するのに悪影響を及ぼした可能性も考えられ,一方,精子の受精能に対しては大きな影響を与えなかったことが推定された.
Nihon Chikusan Gakkaiho | 1978
Yukio Tsunoda; Akira Iritani; Yoshimasa Nishikawa
卵巣摘出ラット子宮内に移植された家兎受精卵の発育を継続させる目的で,各種ホルモン投与の影響を検討し,次の結果を得た.1. 卵巣摘出後各種のホルモン処置をしたラット子宮内に家兎桑実胚を移植した結果,無処置およびプロゲステロン投与後,エストロゲン1回投与のラットに移植した場合発育がみられ,テストステロン投与,プロゲステロン投与,エストロゲン•プロゲステロン併用投与およびエストロゲン•プロゲステロン•HCG併用投与区ではほとんど発育がみられなかった.2.移植された家兎桑実胚の発育は,プロゲステロンおよびエストロゲンの投与量に影響され,プロゲステロン4∼10mg/日を連続投与後,その最終日にエストロゲン5∼10μgを1回投与したラット子宮内に移植した場合の発育が最もすぐれていた.家兎桑実胚を移植後48時間目に回収したところ,交配後100∼105時間目に相当する状態の胚盤胞が得られたが,回収までの日数を長くしてもこれ以上の発育はみられなかった.
Nihon Chikusan Gakkaiho | 1977
Yukio Tsunoda; Akira Iritani; Yoshimasa Nishikawa
家兎生殖道内に移植されたラット受精卵の発育が移植卵齢および移値部位により相違するか否か,また発育するとすれば,その発育限界を調べた.さらに家兎生殖道内(特に子宮内)で着床する可能性があるか否を回収卵の形態および子宮の肉眼的,組織学的観察により検討した.家兎生殖道内に移植されたラット受精卵の発育は,移植卵齢ならびに移植部位により相違した.8細胞期以前のラット卵管に移植した場合,2細胞期の卵子以外はほとんど発育しなかった.8細胞期以降のラット卵を移植した場合,卵管でも子官でもよく発育し,特に子宮へ移植した場合,回収卵の大部分が透明帯を消失した胚盤胞(Z.F.B.)まで発育していた.Z.F.B.まで発育したラット卵の面積は経日的に増大するが,長径と短径の比の小さい球形の卵であった.またラット受精卵を移植した家兎子宮に膨潤,blue reactionおよび脱落膜細胞は誘起されず,本条件下では移植されたラット受精卵は家兎子宮に着床しえないものと推察された.
Nihon Chikusan Gakkaiho | 1977
Yukio Tsunoda; Akira Iritani; Yoshimasa Nishikawa
家兎受精卵をラット生殖器道内に移植するに際して,まず2細胞卵を用いて移植された家兎受精卵の発育と移植するラットの性周期との関係を検討し,ついで移植された家兎受精卵の発育が卵子の日齢および移植部位により相違するか否かを調べ,移植された家兎受精卵の発育限界も合わせて検討した.ついで回収された家兎受精卵の生存能力を体外培養法により調べた.1. ラットの卵巣のうに移植された家兎卵子の発育は,性周期の時期によって大差がみられなかった.子宮に移植した場合,交配区のラットでは回収卵がすべて変性卵であったが,その他の区では発育に差がなかった.2. 家兎受精卵の日齢およびラットの移植部位いかんにかかわらず,桑実胚期までの受精卵を移植した場合は,いずれも初期胚盤胞~胚盤胞期まで発育したが,その後の胚盤胞の発育はみられなかった.また胚盤胞を移植した場合はその後の発育は全くみられなかった.3. ラットよりの回収率は移植から回収までの日数が長くなるにつれて低く,また齢が進むほど高くなる傾向がみられた.4. 卵巣のうに移植した家兎卵子は,移植後の日数に関係なく大部分卵巣のうから回収された.5. ラット卵巣のうあるいは子宮から回収され,正常な分割像を示していた卵子のうち一部のものを体外培養した結果,大部分の卵子がさらに発育を続けた.
Nihon Chikusan Gakkaiho | 1974
Yukio Tsunoda; Akira Iritani; Yoshimasa Nishikawa
ラット2細胞卵を家兎生殖器管内に移植し,卵の発育におよぼす2,3の条件につき検討した.卵子の浮遊液としてRinger液および10%不動化ラット血清加Ringer液を用いたが,Ringer液では全く発育卵が得られなかった.血清の添加により50%以上の発育卵が得られた.ラット2細胞卵は卵管•子宮接合部結さつ家兎の卵管内で移植1日後大部分4細胞は,3日後大部分8細胞~胚盤胞に発育した.しかし子宮内ではほとんど発育しなかった.卵管•子宮接合部結さつ家兎の卵管から回収したラヅト卵においては,性周期の同期化の程度が移植卵の発育に著しく影響し,両種の動物の排卵期を一致させた場合は一致させない場合に比べて明らかに高い発育率が得られた.
Nihon Chikusan Gakkaiho | 1950
Yoshimasa Nishikawa
性週期及び姙娠の経過に伴う馬の膣粘液性状の変化は黒沢(1929),佐藤及星(1936)等の研究により著るしく明らかとなつた。即ち粘液の肉眼的性状は発情期には水様,瀰慢性となり,発情の経過に従い粘稠牽縷性を増し,排卵後2,3日間は濃厚乳白色,不透明にして雲形に附着する(以下濃厚雲形と呼称)。黄体期には粘着糊状の粘液が絣状又は斑点状に附着し且つ光沢及び透明性を有する。姙娠せる場合には姙期の進むに従い黄体期の所見を増強する。顯微鏡的には黄体期は纎毛上皮細胞,粘液凝塊及び粘液球の出現を以て特色とする。以上は余の過去7ヶ年に亘る多数例の経験からもよく肯定し得る処である。然るに非繁殖季節に入つて卵巣機能の休止した非姙馬の膣粘液に就ては未だ報告されたものがない。著者は人工発情の誘発に関する実験中長期に亘り卵巣機能の休止した馬又は卵巣割去後一定期間を経過した馬の膣粘液は未だ報告されたことのない特異の所見(以下休止期粘液と呼称)を呈するを知り之につき研究を進め2,3の知見を得た。以下休止期粘液の性状,出現の時期その他に就き概要を報告する。
Journal of Reproduction and Development | 1977
Eimei Sato; Akira Iritani; Yoshimasa Nishikawa