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Publication
Featured researches published by Yoshio Kamiya.
Nippon Kagaku Kaishi | 1960
Yoshio Kamiya
石炭をアルカリ水溶液中で酸素酸化して芳香族カルボン酸を生成する反応機構について考察することを目的とした反応の過程は石炭→水不溶酸→水可溶酸→炭酸ガス,水のように進行するが,水不溶酸および水可溶酸の性質は酸化条件により異なる炭化度の低い石炭ほど反応は速かに進行するが,水可溶芳香族酸の収量は低くなる鹿町炭酸化の場合の反応最適条件(270℃,120分)では,o-,m-,p-トルイル酸のメチル基はクミン酸のイソプロピル基と同様95%以上酸化分解されてカルボキシル基に変化したケイ皮酸,ヒドロケイ皮酸などの脂肪族酸側鎖もまたほとんどカルボキシル基にまで酸化されたα-,β-ナフトエ酸は容易に環開裂してフタル酸と1,2.3-または1,2,4-ベンゼントリカルボン酸を生成したが,β-ナフトエ酸からのフタル酸の生成量は少なかった。フタル酸類はカセイソーダ水溶液中の方が安定であるが,ベンゼントリ-およびテトラカルボン酸類は炭酸ソーダ水溶液中でも安定であった。石炭を最適反応条件で酸化して得た水可溶芳香族酸中には脂肪族構造はほとんど存在せず,大きな縮合環構造も少量であると考えられる。
Nippon Kagaku Kaishi | 1959
Yoshio Kamiya
石炭の酸素酸化により生成した水可溶芳香族酸のカリウム塩またはナトリウム塩を400~450℃ の温度に加熱し,ベンぜンカルボン酸類をフタル酸類に転化させると同時に,不安定な成分を重合させてフタル酸類を分離することを目的とした。反応が進むにつれて脱炭酸が起ってジカルボン酸が生成し,転位反応によりテレフタル酸が増加するが,さらに反応が進むと分解重合が起るため最適条件が存在することが認められた(430℃,1~4時間)。フタル酸類の理論収率は83~73%であり,試料酸に対するテレフタル酸の最高重量収率は20%であった。1分子につき2個のカルボキシル基を中和した場合には反応が円滑に進行し,良好な収率が得られたが,中性塩では触媒を加えた場合以外は脱炭酸が不十分であった。処理条件がきびしい場合,および中和率が低い場合には生成した水不溶酸は白色を呈し,大部分がテレフタル酸であり,少量のイソフタル酸を含んでいた。ナトリウム塩の場合には転位反応は起らず,水溶液中の脱炭酸反応の場合と同様にテレフタル酸とイソフタル酸の比率は1:2であったが,水可溶酸は黄白色で安定な性質を示した。重合物は酸化したところ約20%の収率で水可溶酸が生成した。
Nippon Kagaku Kaishi | 1959
Yoshio Kamiya
前報において石炭酸化生成物を水溶液中で加熱し,一部脱炭酸を行なってフタル酸類などジカルボン酸に転化させるための反応条件を検討し,生成物から安息香酸,o-フタル酸,テレフタル酸,イソフタル酸などの分離確認を行なったが,本報においては最適条件における脱炭酸生成物について詳細な分離を行なうことを目的とした。生成物はエーテルで分別した後メタノールにより加圧下においてエステル化し,生成エステルを真空蒸留とクロマトグラフ法により分離した結果,トリメシン酸の存在(無水無灰炭に対し1.2%の収率)が認められ,脱炭酸生成物の約38%はベンゼンカルボン酸類(安息香酸,o-フタル酸,イソフタル酸,テレフタル酸およびトリメシン酸)であり,約5~10%は高分子量酸であった。約12%は比較的極性の少ない構造を母核とする酸と考えられるが,この成分の中から2~3環を母核とする構造を有すると考えられる7種類の純粋な芳香族カルボン酸エステルの結晶を単離し分析を行なった。その他の成分は極めて極性の強い構造を有する物質であろうと推定される。
Nippon Kagaku Kaishi | 1958
Yoshio Kamiya
鹿町炭をカセイソーダ水溶液中で硫酸銅添加のもとに255℃ ,120分, 全圧55~7kg/cm2(酸素分圧約14kg/cm2)の条件で酸素酸化を行った。酸化生成物として得た水可溶酸(収率約50%)300gをメタノールによりエステル化し, エステル化の難易により3 つの部分に分けた(F-I,II,III)。F-I(水可溶酸に対する収率73.4%)は精密真空蒸留により9つの留分に分けたが,各留分より安息香酸(微量),ο-フタル酸,イソフタル酸,テレフタル酸,トリメリット酸(1.2.4),ヘミメリット酸(1.2.3),トリメシン酸(1.3.5),ピロメリット酸(1.2.4.5),メロファン酸(1.2.3.4),ナフタリントリカルボン酸を単離確認した。F-IIをアルコールに溶解放置して得た沈殿よりペンゼンベンタカルボン酸とテトラカルボン酸混合物を,F-IIIよりは濃アンモニア水不溶分としてメリット酸を単離確認した。ベンゼンカルボン酸類はほとんどジ-,トリ-,テトラ-カルボン酸よりなるが,主成分はトリメリット酸,ο-フタル酸,ピロメリット酸であった。
Nippon Kagaku Kaishi | 1958
Yoshio Kamiya
石炭のアルカリ水溶液中における酸素酸化により生成した水不溶酸の性質について研究することを目的とした。水不溶酸の収率と酸化条件(炭酸ガス転化率)の間には半対数座標上で良好な相関関係を認めた。炭酸ガス転化率が30%以上では酸化が進行すると水不溶酸の収率は直線的に減少するが, 水不溶酸の性質にも変化が認められ, 色調は黒褐色から黄褐色になり, 中和当量は減少し, バリウム塩が水可溶性の成分の含有量が増加する。水不溶酸をさらに酸化すると水可溶芳香族酸が多量に生成し,酸化後に得られた水不溶酸のバリウム塩は大部分が水可溶性であった。バリウム塩の水に対する溶解性により水不溶酸を二つに分離し,両者をメタノールによりエステル化し,これをさらに分離精製した。バリウム塩が水可溶性の部分からはテレフタル酸を確認したが,その他は分子量が300以下の酸であった。バリウム塩が水不溶性の部分は大部分が再生フミン酸ようの物質であるが,約15%は分子量約330のジカルボン酸であった。
Nippon Kagaku Kaishi | 1958
Yoshio Kamiya
低分子量芳香族酸を製造することを目的として石炭を酸素酸化する場合に,アルカリとしてNaOHやNa2CO3の代わりにCa(OH)2を使用する方法について研究した。Na2CO3の添加量の与える効果,ボウ硝や食塩のような中性塩の添加効果,気相空気酸化前処理の効果などを生成酸の収量,反応速度の面から検討した。Ca(OH)2のみでは反応はほとんど進行しない。Na2CO3の添加量に比例して水可溶芳香族酸の収量が増加し,無水無灰炭に対するNa2CO3添加量が1.25倍程度になると水可溶芳香族酸の収量は,NaOHを3倍添加した場合の収量約60%に等しくなる。これはNaOH水溶液中の反応時にその約2/3をCa(OH)2で代替しうることを示している。気相酸化前処理によって酸の収量,反応速度は増加する。Na2SO4やNaC1のような中性塩の添加によってNa2CO8を添加した場合と同様な効果が認められ,水可溶芳香族酸の収量が増加する。
Nippon Kagaku Kaishi | 1966
Yoshio Kamiya
Nippon Kagaku Kaishi | 1956
Yoshio Kamiya
Nippon Kagaku Kaishi | 1965
Yoshio Kamiya
Nippon Kagaku Kaishi | 1959
Yoshio Kamiya; Yoshisuke Nakano