Yoshiro Oguchi

Analysis of the Relationship between Extent of Hepatic Resection and Postoperative Prognosis for Small Solitary Hepatocellular Carcinoma.

細小肝癌切除耐術42例を対象に, 肝切除範囲がその術後成績に及ぼす影響について検討する目的で, 上記対象を, HrS以下の小範囲肝切除群 (n=28) とHr1以上の広範囲肝切除群 (n=14) の2群に分類しその背景因子, 術後成績について比較検討した.その結果, 肝予備能を中心とした宿主側因子, 腫瘍側因子については両群間に有意の差を認めず, 手術因子についても切除肝重量, 術中出血量を除けば両群間に有意の差を認めなかった.術後累積生存率は, 小範囲切除群3年88%, 5年54%, 広範囲切除群3年100%, 5年75%と後者において若干良好な傾向を認めるものの統計学的に両群間に有意の差を認めなかった.また, 累積再発率においても有意の差を認めなかった.以上の結果より, 細小肝癌においては肝予備能上, 広範囲肝切除が許容されない場合, HrS以下の小範囲肝切除にても十分良好な予後が期待できるものと考える.

A case report of celiac axis compression syndrome.

<1989年 5月 8日受理>別 刷請求先 !福田 宏 嗣 〒737 呉市青山町3-1 国 立呉病院外科 現症 i身長153cm,体 重53kg.頭 部,胸 部,腹 部に 理学的に異常所見を認めず,心 寓部に血管雑音を聴取 しなかった。心寓部に痢痛発作を認めたのみであった。 心寓部痢痛の特徴は,1食後約30分 ~ 1時間後に出現, 2食事摂取量と痛みは相関,3 食事内容と痛みは無関 係,4 腹筋緊張,心 名部の圧迫,下 肢伸展にて痛みが 増強,5 仰臥位,下 肢を屈曲すると痛みは軽減,6 腹 痛は,精 神的ストレスとは無関係,な どであった, 入院時検査成績 :血液 一般検査,血 液生化学校査で 特記すべき異常所見は認められなかった。上部消化管 造影,腹 部超音波検査,腹 部 computed tomography (CT)検査では,冒 ,十 二指腸,肝 臓,膵 臓,胆 道系, 尿路系に器質的病変はみいだせなかった。 側方向腹部大動脈造影で,腹 腔動脈は大動脈からの 分岐直後で前方より圧迫され75%狭 窄していた (図 1).上腸間膜動脈造影で,8‐ 4前後ア ーケードを介して 固有肝動脈へ造影剤の逆流がみられた (図2), 以上より腹腔動脈の外因性狭窄病変により心寓部の 痢痛発作を呈する,腹 腔動脈起始部圧迫症候群と診断 し, percutaneous transiuminal angioplasty (以 下