Yuji Tachimori

Combined Gastric Pull-up and Microvascular Jejunal Transfer Procedure After Pharyngolaryngoesophagectomy

A case of simultaneous carcinomas of the lower thoracic esophagus and the oropharynx in a 62-year-old man is reported. Reconstruction was successfully performed using a one-stage operation consisting of pharyngolaryngoesophagectomy followed by a combination of gastric pull-up and microvascular jejunal transfer procedures. The postoperative course was uneventful except for regurgitation of food, which persisted for 1 month.

Endoscopic Diagnosis of Tumor Invasion of Superficial Esophageal Carcinoma and the Indication of Endoscopic Mucosectomy as a Curative Treatment.

食道表在癌の内視鏡的深達度診断と内視鏡的根治療法の適応について検討した. 対象は術前未治療で切除されたO-IIc型を主体とした食道表在癌53例57病巣である. 深達度をep, mm1～3, sm1～3の亜分類に分け病理組織学的に検討すると脈管侵襲, リンパ節転移ともに認めなかったのはepまたはmm1癌であり, これらが内視鏡的根治療法の適応と考えられた. 内視鏡像の検討より, epまたはmm1癌の診断は, 1) 深い陥凹を認めない, 2) 表面に大顆粒や結節を認めない, 3) 周囲粘膜の肥厚なし, 4) 硬化像なし, の所見をすべて満たすこととすることができ, その正診率は92.3%であった. したがってこの診断基準を用いれば内視鏡像からepまたはmm1癌を診断することはほぼ可能であり治療前の内視鏡的根治療法の適応決定に有用であると考えられた.

A Definition of the Elderly in Esophagectomy.

食道癌手術における高齢者を定義するために, 右開胸, 開腹操作にて手術を施行した食道癌切除症例517例を5歳間隔の7群に分けて以下の項目について検討を行った. 術前心電図異常は, 75歳以上群において70歳未満の各群と比較して有意に高頻度に発生し (p<0.05), PSP試験では75歳を境として, スパイロメーターにおける1秒量は65歳を境としてその前後の群間で有意差を認めた (p<0.05, p<0.01). 術後のPaO2の変動では70歳以上の2群に有意な低下を認め, Crnは65歳以上の3群で有意な上昇をみた. 合併症では75歳以上群の肺炎, せん妄の発症頻度はそれぞれ28.6%, 30.4%と他の群と比較して有意に高値を示した. 合併症死は70～74歳群は12.3%, 75歳以上群は17.9%であり, 75歳以上群のみ70歳未満の他の年齢群と比較して有意差を認めた. 以上の結果より, 食道癌手術における高齢者は75歳以上と定義するのが適当であると考えられた.