Ikumi Kagawa
Nagoya University
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Publication
Featured researches published by Ikumi Kagawa.
Nippon Kagaku Kaishi | 1970
Yoshiro Tachi; Akira Takahashi; Ikumi Kagawa
エチレン-アクリル酸共重合体を特性化 (characterize) するために, 塩型および酸型試料の各種有機溶媒への溶解性を検討した。両試料共に結晶性であり, また酸型試料中にはカルボキシル基間の水素結合による会合の存在が赤外吸収スペクトルより認められた。塩型試料に対しては単独で溶解させる溶媒は見つからなかったが, 溶解性パラメター δ=8~9 の溶媒と酢酸との混合溶媒は 60 であることを示した。酸型試料の溶媒としては 50℃ 以上で溶解させる単独溶媒としてテトラヒドロフラン, トリエチルアミンの二つが見出された。 またδがほぼポリエチレンのそれに近い溶媒と水素結合能をもつ酢酸, ジオキサンなどとの混合溶媒がやはり 50℃ 以上で溶解させることが判った。このような混合溶媒系を用いてエチレン, アクリル酸共重合体の分別, 浸透圧測定による分子量決定が可能であることを示した。
Nippon Kagaku Kaishi | 1967
Toshihide Nakamura; Mitsuru Nagasawa; Ikumi Kagawa
比較的簡単な構造の樹脂を用いて電着塗装法の電着機構について研究を行なった。定電流ならびに定電圧の下で電着を行ない,通電中の電気抵抗の変化,通電量と電着量の関係,電着樹脂の分子量変化,あるいは電気泳動速度などを測定した。その結果,電極板上では主としてOH-の放電が起こるが,この他にカルボキシル基の直接放電もあり,これが電着樹脂の分子量の増加の原因であること,電着量は定電圧定電流の別なくほぼ通電量に比例すること,電流密度が低いほど緻密な膜が得られることなどを明らかにした。
Nippon Kagaku Kaishi | 1967
Tadaya Kato; Akira Takahashi; Mitsuru Nagasawa; Ikumi Kagawa
ガラスの屈折率と近似した屈折率を有する液体を満たした恒温槽にセルを入れるいわゆるSofica形の特徴を取り入れて,低角度における光散乱の測定を行なうために,18°までの散乱光測定が可能なように島津光電式光散乱光度計の改良を行なった。この改良装置を用いて単分散ポリ-α-メチルスチレソの低角度散乱の測定を行なった。高分子量の単分散高分子鎖のひろがりを求めるためには,35°以下の低角度の散乱光測定が必要であることがわかった。さらにDebyeのParticle Scattering Factorは単分散ポリ-α-メチルスチレソの実験とよい一致を示している。
Nippon Kagaku Kaishi | 1965
Masayasu Tasaka; Haruhiro Hirai; Ikumi Kagawa
イオン交換膜による従来の電解濃縮装置では,カチオン交換膜とアニオン交換膜が交互に配置され,濃縮室と脱塩室とが1つおきに存在している。その結果濃縮室濃度が高くなるにつれて,イオン交換膜をはさんで濃縮室と脱塩室の間の浸透圧差が増大し,自由浸透に基づく水の移動量が増加するので,濃縮室濃度に限界を生ずる。そこで濃縮室濃度が高くなっても,浸透圧差が増大しないようにするために,濃縮室を適当な輸率を有する膜2枚を使用して3室とし,脱塩室に近い両側の濃縮室濃度を低く,中央の濃度を高くするようにした。このように2段階で濃縮することにより,自由浸透による移動水量は減少され,濃縮室3室の平均濃度を従来の濃縮室1室の場合より高くすることができた。とくに中央の濃縮室では高濃度に濃縮され,あるときには塩の結晶の析出をみた。
Nippon Kagaku Kaishi | 1963
Ichiro Noda; Ikumi Kagawa
代表的な強塩基性高分子電解質であるポリビニルベンジルトリメチルアンモニウム塩の溶液性状に及ぼす対イオンの種類の影響について研究した。試料は6 種の対イオン(Cl-,Br-,NO3-,〓,(TS-),I-,SO42-) を用いた。まずOH型試料の中和滴定により強塩基であることを明らかにした。低分子添加塩を含まない無塩系水溶液における浸透圧係数(g),当量電導度(Λ)および粘度の測定を行なった。その結果,gは対イオンの種類によって非常に異なり,Cl->Br->NO3->TS->I->SO42-の順に減少することを認めた。粘度も同様に変化し,Fuossプロットで得た極限値よりFlory-Foxの式で求めた高分子イオンの拡がりはgに比例して大きくなることを知った。電導度についてはLatteyの式の適合性を検討した。またΛ/Λ0は一般にgより大きい値を与えるが,各種対イオンの間ではgとΛ/Λ0との間に直線関係が存在することを認めた。本実験結果においてはポリアクリル酸などの場合に比べてgやΛに対する対イオンの影響が一般に大きく,またハロゲンイオンによるgの大きさの順序がNa+およびK+のハロゲンイオンによる場合と逆であることなどよりして,高分子上の第四アンモニウム基と陰イオンとの間にはクーロンカの外に特殊な相互作用も存在するもののとと推推定定ししたた。。
Nippon Kagaku Kaishi | 1961
Akira Takahashi; Ikumi Kagawa
高分子電解質-中性塩添加系の浸透圧測定において,イオン分配平衡の成立が測定結果に及ぼす影響について実験的な検討を行ない,次のような結論を得た。通常の浸透圧測定条件下では圧平衡に到達しても必ずしもイオン分配は平衡に達しない。イオン分配を平衡に達せしめて後,浸透圧測定を行なった系(透析系列)と,そうでない系(非透析系列)を比較すると, 両者の測定は同一の〓( π / C ) , すなわち同一の分子量を与えるが, 第2 ビリアル係数にはかなりの差のあることがわかった。著者らは膜を通ってのイオンの輸送は通常遅く,見かけの平衡が非透析系列については一時的に成立することを確めた。かくして得られた第2ビリアル係数の正確な値を用いて,高分子電解質溶液に関するFloryの理論の検証を行ない,Flory,Orofinoと同じ結論がえられた。
Nippon Kagaku Kaishi | 1958
Kiyoshi Sukai; Ikumi Kagawa
第1級および第2級の酢酸基組成を種々異にし,かつ無定形とみなされる各種の中間酢化物を用いて,その比重および燃焼熱を測定した。これより分子容と分子生成熱を求め,酢酸基組成の実測結果に基いて各酢酸基の分子容ならびに各水酸基の酢化熱に関する精細な検討を試みた。その結果,酢酸繊維素の分子容には良好な加成性が成立し,繊維素の分子容と各酢酸基のそれとに分離できることを確認するとともに,第1級酢酸基の分子容は41.1であるに対して,第2級のそれは35.9にすぎないことを明らかにした。ついで分子生成熱に関しても加成性の成立を認め,更に酢化熱を2種の水酸基について分離決定することに成功した。すなわち, 第1級水酸基の酢化熱は-3.03kcal/mol(発熱) であるに対して,第2級のそれは4.76kcal/mol(吸熱)なることを明らかにした。この結果は反応速度論的に求められた先人の値ともきわめてよい一致を示し,繊維素水酸基の反応性に関する従来よりの宿題に確実な結論を与え得たものと考えられる。
Nippon Kagaku Kaishi | 1958
Kiyoshi Sukai; Ikumi Kagawa
X線計数回折法により結晶化度を決定した13種類の三酢酸繊維素試料について,その比重,燃焼熱おホび吸湿量を測定し, これらの間の関係を比較検討した。三酢酸繊維素の比重の測定に際し,まず,種々の有機液体を比較検討して,トルエンが実際上最も適当な媒体であることを確かめた。トルエンによる各試料の比重と結晶化度との間には直線関係が成立し,この事実から比重法を用いても十分信頼出来る結晶化度を求めうることを知った。また燃焼熱と結晶化度との間にも十分よい直線関係が成立し,燃焼熱に関しても,その結晶および無定形領域をそれぞれ劃一視しうることを知った。その結果から完全結晶および完全無定形三酢酸繊維素の燃焼熱はそれぞれ4516cal/gおよび4551cal/gであり, その結晶化熱は35cal/gあるいは10.1kcal/molであることがわかった。更に吸湿量と結晶化度との間にも大体直線関係の成立することを認めた。
Nippon Kagaku Kaishi | 1957
Mitsuru Nagasawa; Atsuhiko Soda; Harumi Shiraiwa; Ikumi Kagawa
高分子イオンの直流電場と交流電場における挙動を同一の基礎で議論してよいかどうかを検討する目的で,本実験が行われた。新たに直流電導度測定用セルを作製して,ポリビニルアルコール硫酸ナトリウムの直流電導度を測定し,これと通常の方法で同じ試料について測定された交流電導度とを比較した。この両者の差異はほぼ3%以内であり,本実験の条件下では両電場における高分子イオンの状態は,同一と考えてよいという結果をえた。
Polymer Journal | 1972
Akira Takahashi; Takeshi Nakamura; Ikumi Kagawa