Katsumi Okubo

Biosyntheses of Lignin

幼植物の組織溶液に基質を与えてリグニン生成量を測定する方法で, リグニン形成にはシキミ酸, フェニルピルピン酸(PPA),p-オキシPPA,フェニルアラニン,フェルラ酸およびコニフェリルアルコールが加わり,アセテートおよびピルビン酸はほとんど関与しないことを明らかにし, 糖からリグニン構成単位の形成過程を推察した。またチロシンおよびDOPAがリグニン形成に必要な基質でないことを知り,ペルオキシダーゼで脱水素重合する基質の重合物とリグニンとの活性基量,アルカリ酸生成物量および吸収スペクトルを比較検討した結果から,DHPはリグニンと近似した性質を示すが, なお幾多の重要な差異のあることを指摘し, リグニンには酸性でΔe効果を示す活性基が存在することを明らかにした。