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Publication
Featured researches published by Mamoru Saitoh.
Nihon Chikusan Gakkaiho | 1990
Mamoru Saitoh; Ryozo Takada; Mikio Ando; Yasuyoshi Yagi
豚の妊娠後期における子宮と胎児の重量およびこれらの化学成分量に及ぼす妊娠日数,生存胎児数ならびに代謝エネルギー(ME)摂取量の影響を明らかにするために,総数で22頭の豚を用いて検討した.これら供試豚には交配時から妊娠約59日までは,中ME飼料(乾物中ME:3.20kcal/g)を1日当り平均で2.3kg給与し,妊娠60日以降は,低(乾物中ME:2.94kcal/g),中または高ME(乾物中ME:3.82kcal/g)飼料のいずれかを1日当り平均で2.3kg給与した.妊娠80日から112日の間に屠殺し,子宮全体と胎児の重量の測定およびこれらの水分(M),粗蛋白質(CP),粗脂肪(CF)および総エネルギー(GE)の分析を行なった.得られた結果を,ゴンペルツ(GOMPERTZ)曲線の対数形をモデル式として解析し,子宮総重量,平均胎児重量および子宮全体と胎児の化学成分量に及ぼす妊娠日数,生存胎児数およびME摂取量の影響を調べた.1. ME摂取量は,子宮全体の重量と平均胎児重量およびこれらの化学成分量に有意の影響を及ぼさなかった.2. 子宮全体の重量(Uw),M量(Um),CP量(Up)およびCF量(Uf)は,妊娠90日付近を変曲点として,上に凸のゆるい曲線を描いて増加した.また,子宮全体のGE量(Ue)は,妊娠90日付近を変曲点として,下に凸のゆるい曲線を描いて増加した.一方,Uw, Um, Up, UfおよびUeは,胎児数が8付近を変曲点として,下に凸のゆるい曲線を描いて増加した.3. 胎児当り平均の重量(Fw),M量(Fm)およびCF量(Ff)は,胎齢90日付近を変曲点として,上に凸のゆるい曲線を描いて増加した.また,胎児当り平均のCP量(Fp)およびGE量(Fe)は,胎齢90日付近を変曲点として,下に凸のゆるい曲線を描いて増加した.一方,FwおよびFmは,胎児数が8付近を変曲点として,下に凸のゆるい曲線を描いて減少した.Fp, FfおよびFeは,胎児数の増加に伴って,ほぼ直線的に減少した.
Nihon Chikusan Gakkaiho | 1988
Mamoru Saitoh
農林水産省畜産試験場,茨城県筑波農林研究団地305平均4産目の体重190~30Okgの妊娠豚を総数で22頭供試した,これらの妊娠豚を代謝ケージに単飼し,代謝エネルギー(ME)含量の異なる飼料を2または2.5kgを1日1回給与し,温度約20°C,湿度約57%の環境下で,約1ヵ月間飼育後に,妊娠89±3日から2日間(試験1)および妊娠101±3日から3B間(試験2)の呼吸試験を行ない,ME摂取量ならびに熱産生量を測定した。これらのデータを用いて,妊娠豚の維持に要するME量を算出した.得られた結果は,次の通りである.(1) 試験1において,ME摂取量(ME, kcal/W0.75kg/day)と熱産生量(H, kcal/W0.75kg/day)との間には, H=66.2+0.26MEの式が成立した.また,試験2においては,x=61.9+0.32MEの式が導かれた.(2) これらの式から,試験1および2における維持に要するME量は,それぞれ90および91kcal/W0.75kg/dayと推定された.また,これらの値は,非妊娠時の維持のME量に近似していることから,維持のME量は,妊娠によって影響されないものと結論された.(3) 上式のMEの係数から,妊娠豚のエネルギー蓄積に対する飼料MEの効率は,試験1および2において,それぞれ74および68%と推定された.
Nihon Chikusan Gakkaiho | 1988
Mamoru Saitoh
体重が約30-120kgの肥育豚および繁殖豚(非妊娠)を総数で42頭供試した.これらの豚を代謝ケージに単飼して,個体毎に飼料の給与量を変え,寒冷環境下および熱的中性圏下で約1ヵ月の馴致後に間接法•開放式呼吸試験装置を用いて3日間の呼吸試験を得ない,熱産生量を算出した.得られた結果は,次のように要約される.(1) 維持に要する代謝エネルギー(ME)量は,95kcal/W0.75kg/dayと推定された.(2) 熱的中性圏における熱産生量の推定式として,H=60.0+0.37ME (H:熱産生量kcal/W0.75kg/day, ME: ME摂敢量kcal/W0.75kg/day)が導かれた.(3) 下限臨界温度(Tc)の推定式として,Tc=24.2-0.05W-0.023ME (Tc:°C, W:体重kg, ME=ME摂取量kcal/W0.75kg/day)が得られた.(4) Tcより1°C低下時の熱産生の増加量は,鉢重30-50kgの豚で,約6.4kcal/W0.75kg/day,体重50-100kgの豚で6.0kcal/W0.75kg/day,さらに体重120kgの繁殖豚で約4.8kcal/W0.75kg/dayとなった.(5) Tcより1°C低下時の飼料の増給率(飼料の推奨量に対する%)は,給与飼料のME含量を2.8kcal/gとすると,体重30-50kgの豚で2.0%,体重50-100kgの豚で2-2%および120kgの繁殖豚で3.2%となった.
Nihon Chikusan Gakkaiho | 1983
Mamoru Saitoh; Seiya Takahashi
飼料中代謝エネルギ(ME)の受胎生産物(胎児,胎盤,羊水および子宮)の維持と成長に対する利用効率を算出する方法,すなわち従来反芻家畜において用いられている重回帰式の係数から求める方法によって推定された値の信頼性について検討した.その方法は,エネルギー以外の栄養素が十分含まれる条件下で,飼料中MEの受胎生産物に対する利用効率を3段階(おおむね10,20および30%)に仮定して受胎生産物の生産に要するME量を求め,これを既に求めた維持のME量に加算したエネルギー量の飼料を調製して給与し,妊娠14または20日目に屠殺して,受胎生産物へ設定通りのエネルギー量が分配されているかどうか,さらに母体へのエネルギー蓄積量がゼロになるかどうかを指標として,飼料中MEの受胎生産物の維持と成長に対する利用効率を推定した.その結果,3つの異なる条件下における推定値は,23.2±2.4%(平均値±標準偏差)となった.この値と,前報において重回帰式の係数より求めた値(23.0±1.3%)との間には,有意差は認められなかった(P>0.05).このことより,従来,反芻家畜で用いられている飼料中MEの受胎生産物の維持と成長に対する利用効率の算出方法をラットに適用しても,その推定埴には,信頼性のあることが確認された.
Nihon Chikusan Gakkaiho | 1983
Mamoru Saitoh; Seiya Takahashi
成長中のWistar系未経産雌ラット(約10週齢,体重約200g,以下成長ラットと略記)を用いて,不断給餌した場合,および成熟体重に達したWistar系未経産雌ラット(約30週齢,体重約340g,以下成熟ラットと略記)を用いて,制限給餌した場合について,妊娠のほぼ全期間をカバーする妊娠20日までにおける飼料中MEの受胎生産物(胎児,胎盤,羊水および子宮)に対する利用効率を前報と同じ方法によって推定した.その結果,成長ラットの実験におけるその利用効率は21.5%で,この値と成熟ラットの場合の24.0%との間には,大差はなかった.本報ならびに前報の結果より,飼料中MEの受胎生産物に対する利用効率は,飼料の給与水準,供試ラットの体重,さらに妊娠のステージの相違などによっても大きく影響されずに,ほぼ一定しているものと推測された.前報と本報で得られた飼料中MEの受胎生産物に対する4つの効率を平均すると,23.0±1.3%(±標準偏差)となった.
Nihon Chikusan Gakkaiho | 1980
Mamoru Saitoh; Seiya Takahashi; Kenichi Kameoka
蛋白質およびエネルギー蓄積量を制御するための方法をラットを用いて検討した.代謝エネルギー(ME)4水準と,可消化粗蛋白質(DCP)3水準との組合せにより調製した12種類の飼料を,1日当り12g給与し,試験開始後20日目に屠殺して,屠体分析によって,蛋白質とエネルギーの蓄積量を求めた.MEおよびDCP摂取量とエネルギーまたは蛋白質の蓄積量との間の関係式は,重回帰分析により求めた.これらの式において,エネルギーおよび蛋白質の蓄積量を任意の値に設定し,それぞれの場合におけるMEとDCP摂取量との間の関係を作図した.本図より,エネルギーおよび蛋白質の蓄積量は,MEおよびDCP摂取量の変化に対応して,それぞれ山における鞍点および稜線を描いて変化することが認められた.また,エネルギーおよび蛋白質の蓄積量を,任意の値に制御するためのMEおよびDCP摂取量は,エネルギーと蛋白質のそれぞれの蓄積量における両曲線の交点に相当するMEおよびDCP摂取量の値を読みとることによって求められる.なお,本実験で示した方法は,動物実験によって,信頼性のあることが確かめられた.
Nihon Chikusan Gakkaiho | 1974
Mamoru Saitoh; Seiya Takahashi
前回の実験1)において,低エネルギー飼料(可消化エネルギー含量:2.3Kcal/g)給与時の妊娠19日のラットの母体の肝臓が異常に白く,その表面に脂肪様の小滴の存在するのが認められた.この現象は,肝臓への脂肪の蓄積によっているものと推測されたので,本報では主として妊娠中の母体の肝臓の脂肪含量の変化および脂肪の蓄積の機作について検討した.その結果,高エネルギー区の母体の肝臓の脂肪含量は,妊娠の進むにつれ著しく減少した.一方,低エネルギー区のそれは妊娠の進行につれ逆に著しく増加し,妊娠19日目では7日目のそれの約1.6倍にも達した.しかし,この肝臓への脂肪の著しい蓄積は,リノール酸または塩化コリンの添加により有意に緩和された.コリンは,生化学的には体内で合成されることが知られているので,この主因は低エネルギー飼料中の必須脂肪酸含量の不足によるものと結論された.また,胎児の脂肪含量は,リノール酸またはコリンの添加により有意に増加した.胚胎の生存率に関しては,リノール酸の添加は,無添加の場合とほぼ同じであった.しかし,塩化コリンを添加した時には,無添加の場合に比べ有意に低下し,その損耗の約50%までが妊娠中期において生じていた.
Journal of Nutrition | 1994
Ryozo Takada; Mamoru Saitoh; Toru Mori
Nihon Chikusan Gakkaiho | 2001
Mamoru Saitoh
Nihon Chikusan Gakkaiho | 1995
Masaya Katsumata; Hideaki Hirose; Yuji Kaji; Mamoru Saitoh