Masayuki Hamura

Super Nano Machine ROBONANO

従来,機械加工による超精密加工は,レンズの金型加工 などが中心であり,加工機は 2,3 軸の超精密旋盤が大半 であった.また,超精密加工では,一般に高い精度が要求 されて加工が長時間となる.このため,超精密加工を行っ た後,それを使って超精密部品を量産する金型などの用途 でなければ,コストが合わないケースが多かった.しかし 近年,高付加価値の部品加工の需要増に伴い,量産部品に 多軸の超精密加工を適用する需要が増加している. また,これまで MEMS 技術を使用した分野において も,加工形状や材料の制約から,機械加工に転換する例が 登場してきた.MEMS 技術に比べて,機械加工による超 精密加工では,加工形状の自由度の高さ,材料の選択肢の 多さのみならず,設備投資も小規模で済むメリットがあ る.また,MEMS 技術から機械加工への単なる転換でな く,MEMS 技術と機械加工を組み合わせて各々の特徴を 生かした,新たな商品開発の試みも行われている. このように,超精密加工を必要とする新たな需要が日々 生まれる中で,様々な加工用途に柔軟に対応できる多軸の 超精密加工機に対する期待が高まっている.