Seiji Mukaide

STUDY OF BUCKLING LENGTH OF COLUMNS IN STEEL MOMENT RESISTING FRAMES UNDER AXIAL FORCES DUE TO HORIZONTAL LOAD

鋼構造建築物を設計する上で,柱は曲げ座屈に対する配慮が必要 である.節点の水平変位が拘束されていない均等ラーメン骨組にお ける柱の座屈長さについて,その算定方法が鋼構造座屈設計指針な どに示されている 1) ~ .その他にも,骨組中の柱の座屈長さを算定す るための様々な研究が行われている 5 ~ . 以上の研究成果はいずれも図 1(a)の鉛直下向き荷重作用時を対象 としたものであるが,地震荷重が支配的な日本においては,図1(b) に示す水平荷重作用時の柱軸力による座屈も考慮せねばならない. 文献 12), 13)では,模型を用いて,柱に入力する水平力あるいは水平 変位を制御して柱の曲げ座屈を発生させ,転倒モーメント下での多 層骨組外柱の座屈耐力について考察している.文献 14)では,水平荷 重作用時に,図 1(b)の右外柱のようにより大きな圧縮軸力を受ける 柱は,引張軸力や小さな圧縮軸力を受ける同一層の他の柱や梁によっ て層間水平変位を抑制されるので,その座屈長さは鉛直下向き荷重 作用時よりも短くなると指摘されている.さらに,骨組中の任意の 柱を取り出した図 2(a)の詳細柱モデルの端部回転バネを無視した図 2(b)の簡略柱モデルを用いて,水平荷重作用時に柱の座屈長さを柱 部材長とできる条件が示されている.図 2の水平バネ剛性 KH は,同 一層の他の柱・梁が,対象とする柱の頭部に与える水平抵抗を表現 This paper is a study of the buckling length of columns for the case of subjecting the axial forces corresponding to the overturning moment to the frames whose nodes horizontal displacement is not constrained. In this case, it is shown that taking a column length to the buckling length becomes safe side evaluation, unless the rotational resistance of both sides of columns is low. Moreover, about the buckling length in that case, it is shown that axial deformation of columns may influence to it, and more exact consideration can be performed by considering axial deformation of columns.

FUNDAMENTAL STUDY FOR DEVELOPMENT OF TUBULAR DAMPERS FOR USE IN EXPOSED-TYPE COLUMN BASE OF STEEL MOMENT FRAMES

近年,建物の耐震安全性を高めるために,制振構造を採用する例 が増加する傾向にあり,とりわけ超高層鋼構造建物では一般的な技 術となりつつある.中低層建物においても,エネルギーの釣合いに 基づく耐震計算法の制定を契機として,さらなる利用拡大が期待さ れている. パッシブ型の制振構造では,エネルギー吸収部材により建築物の 主要構造全体の塑性変形を緩和することができるが,一定の剛性を 付与しつつ大地震時に最下層柱下端や柱脚部を弾性に保つことは難 しい.これらの位置で塑性化した場合,大地震後の修復は困難である. このような問題に対し,柱脚部に適用できるダンパーが有効な解決 策となり得る.また,柱脚部のダンパーを積極的にエネルギー吸収 させることで,上部構造の損傷を低減させる効果も期待できる . 柱脚部に適用する履歴型ダンパーの研究事例としては,浮き上が り降伏ベースプレートにより柱脚の浮き上がりを許容しつつ履歴ダ ンパーとして機能させる工法 2),3)などやセルフセンタリング機能を持 つダンパーによりエネルギーを吸収させる工法 が挙げられる.前 者は,浮き上がりを伴うため高度な設計手法を必要とし,後者はエ ネルギー吸収性能が低いなどの課題があり,鋼構造骨組の柱脚部に 適用するためのダンパーとしては,利用しやすい形で実用化されて いないのが現状である.本研究では,筆者が提案する露出柱脚に適 用するための鋼管型のダンパーを開発するための基礎的な検討を行 う. 本システムでは,図 1(a)に示すように,アンカーボルトの外側に 挿入された円形鋼管状のダンパー(以下,単に鋼管ダンパーと称す) 鋼構造露出柱脚に適用する鋼管型ダンパー開発のための基礎的研究