Yasutoshi Tsuji

EXPERIMENTAL STUDIES OF HEPATIC HYPERTROPHY AFTER PORTAL VEIN EMBOLIZATION

穿刺 し,塞栓物質を0.lml注入,塞栓 した。塞栓物質に は isobutyl‐ 2、cyanoac呼lateとLipiodolを等 量ず つ 混和したものを用いた。術後経 日的に肝を摘出,そ の 重量を測定 した。また非塞栓肝の組織像 よりmitOdc indexを算出した.さ らに非塞栓肝の DNA合 成能を みるために,肝における 3H_thymidineの酸不溶性分画 へのとりこみを測定した。すなわち3H_thymidineを体 重100gあた り10/Ci腹腔内注射し,2時 間後に非塞栓 肝実を摘出,DNAの 酸不溶性分画を抽出,定 量した。 その DNAあ た りの放射活性を測定 した。 結果 :非塞栓肝の体重比は塞栓 7日後まで増加し, 術前値の約 3倍 になった。Mitotic indexは 塞栓 3日後 に明らかに上昇 した。また非塞栓肝の DNA合 成は 70%肝 切除群 と同様の変化がみられ,24時 間後に高値 を示した くF七). 広橋 一 裕 街 保 敏 藤尾 長 久

Case of hepatocellular carcinoma with splenic and portal vein thrombosis treated by TAE.

症例は50歳,男性.発熱及び腹痛を主訴として当科受診.血清AFP値は62,100ng/mlと高値を呈し,各種画像診断法により脾転移および門脈本幹内腫瘍栓合併肝細胞癌と診断.oneshot動注療法を行ったが腫瘍の増大と脾静脈内腫瘍栓を認めたため,2回のTAEを施したところ著明な抗腫瘍効果が得られた.肝細胞癌の脾転移は稀であり,また脾静脈内腫瘍栓の報告例はない.原発巣のみならず転移巣においてもその輪出血管に腫瘍塞栓がみられたことは,腫瘍塞栓の形成機転を考える上で興味深い.またTAEが奏功したことより,脾転移巣および脾静脈内腫瘍栓は動脈により栄養されていると考えられた.進行肝癌に対するTAEの適応については論議のあるところであるが,本症例はその適応を考慮すれば,TAEが安全に且つ有効に行いうることを示唆するものと考えられる.