Akihisa Yamada

Visual acuity of cattle determined by the method of discrimination learning

Abstract Behavioral tests using the method of discrimination learning were conducted to determine the visual acuity of Japanese Black cattle. Three heifers were trained to discriminate visually a correct target from two options presented simultaneously. A Landolt ring and an ordinary ring were used for the visual targets, where the Landolt ring was a negative target with a non-reward trough and the ordinary ring was a positive target with a reward trough. Left and right positions of the two targets were shifted at random. After the cattle were fully trained, their visual acuity was determined by reducing the sizes of the targets (Test 1) or by increasing the distance from the target (Test 2). The best scores of visual acuity obtained in Test 1 and Test 2 were 0.045, 0.045 for Heifer 1, 0.083, 0.083 for Heifer 2 and 0.063, 0.064 for Heifer 3.

Physiological Variation of Mineral Contents in Hair of Dairy Cow Analyzed by Means of PIXE

畜産・草地学分野での応用例がほとんどないPIXEを活用して, 高泌乳牛群について各種元素の被毛中含量を分析し, その変動要因を検討した。5月, 11月及び翌9月にそれぞれ12, 16及び20頭の乳牛から被毛を採取し, 無調製無標準法によるPIXE分析を行った。全試料から検出された元素は, S, K, Ca, Na, Mg, Zn, Br, Fe及びCuであった。これらの被毛中含量は個体による分布が相当大きく, 元素によってはその平均水準が過去の報告における放牧飼養肉牛における水準と大きく異なった。K及びFeを除き, 被毛中含量は試料採取時期の有意な影響を受け, 9月において低かった。その影響に加えて, Ca及びZn含量は乳生産水準が高いほど減少し, Na含量は体重が大きい個体ほど増加した。更にMg含量は産次が進むほど少なくなるとともに, 体脂肪蓄積の程度が大きい個体ほど多くなった。以上の結果から, 高泌乳牛群における被毛中各種元素含量の生理的変動の程度と, その変動に対する季節や乳生産水準など個体に関わる要因の影響が初めて示された。

Application of an Automatic Recorder on Standing Behaviors of Cattle to Estimate Estrus Period and Optimum Insemination Time

被乗駕行動測定装置は,乗駕行動時のウシ同士の接触面の圧力を感知する感圧スイッチと,そのスイッチに圧力が加わった時刻と,除かれた時刻を記録する装置で構成されている.被乗駕行動測定装置を装着したウシに他のウシが乗駕した際に,その時刻と被乗駕行動の持続時間が記録される.この装置により発情の時間帯が特定でき,また授精適期を推定するための有用な情報が得られるかどうか検討した.実験1では,繰り返しを含めて7頭の黒毛和種雌牛において,被乗駕行動測定装置により得られた乗駕許容を示していると推定される3秒以上の持続時間を示す被乗駕行動の頻度分布から,発情の時間帯が判定できることを示した.実験2では,50頭からなる繁殖牛群内で,発情を誘起した6頭のウシにこの装置を装着し,1日に2回の定期的な牛群の肉眼観察により,この6頭のウシの授精適期を推定し,人工授精を行った.その結果,測定装置の記録より判定された発情の開始と終了時刻から推定された授精適期の範囲内で,人工授精された4頭のウシは受胎した.また,授精適期以外で人工授精された1頭のウシは受胎しなかった.これらの結果は,この感圧スイッチの測定記録をテレメーター装置などにより,実時間で得ることができれば,適期に人工授精が可能なことを示唆している.